かかりつけ薬局
「かかりつけ医」という言葉なら聞いたことがあるけれど,「かかりつけ薬局」なんて言葉は聞いたことが無いという人が多いかもしれません。しかし,最近は「かかりつけ薬局」の必要性が特に注目されています。
かかりつけ薬局とは,薬に関するあらゆる相談に応じ,情報提供してくれる調剤薬局のこと。「かかりつけ医」が普段の健康管理や万が一病気になったときの心強い味方だとすれば,薬局は薬の面から健康管理のサポートをします。
●「かかりつけ薬局」を持つメリット●
1)薬の重複,飲み合わせによる副作用を未然に防げる。
医療機関を受診すると,医師から薬の「処方箋」を渡されます。
このとき医師は,自分が処方した薬の処方内容はわかっていても,他の病院,他の医師が処方している(かもしれない)薬については,患者自身が自己申告をしない限り知ることができません。
また,患者が「こういう薬を飲んでいます」と伝えても,自分の専門外の病気の薬については,あまり詳しくなかったりもします。
しかし「かかりつけ薬局」を一軒決めておけば,薬剤師が患者ごとに「薬歴管理」をしてくれるので,複数の医療機関にかかっていても,同じ成分を含んだ薬が重複して処方されていないか,飲み合わせによる副作用の心配はないかをチェックできます。それにより,薬による事故を未然に防ぐことができます。
2)薬についての詳しい説明が受けられる。
黙っていても患者様が来る院内薬局と違い,街中の調剤薬局は「客商売」。患者=お客様を大事にし,よその店より良いサービスを提供しようという意識が高いと言えます。
「以前,こういう薬を飲んでこんな症状が出たことがあるのだが,今回の薬は大丈夫か?」「眠くならないタイプの薬を希望したが,その通り処方されているか?」など,病院で処方された薬に関する「ちょっと心配なこと」は意外に多いもの。医師に聞きそびれた疑問も,かかりつけ薬局で気軽に質問できれば安心ですね。
調剤薬局では「処方薬」だけでなく,市販薬との飲み合わせや普段服用している健康食品,サプリメント類などとの飲み合わせについても,相談にのります。
「風邪気味のため,このあと市販の風邪薬を飲みたい。処方薬と一緒に服用しても問題ないか?」「先生には言わなかったけど,数日前からコエンザイムQ10を飲んでいる。薬の効き目に影響はあるか?」など,気になることがあれば遠慮なく質問してください。