お薬の強弱について

こんにちは~!藤田です。今日は皆様から良く頂くご質問、「この薬は強いの?弱いの?」について書きたいと思います。

風邪薬など、短期に出る薬ではあまり聞かれませんが、慢性疾患のような治療に時間がかかる病気に対しての薬を飲まれる方からこのように聞かれる事が多いような気がします。
やっぱり初めてもらう薬は不安ですよね? 今まで健康診断で大丈夫だったのに今回から血圧の薬が出た。この薬は強い副作用がある薬なのかしら?私の症状はどのくらい悪いの?( >д<)という不安から出てきた質問だと思いますが、この質問、実は答えるのが大変難しい場合があります。

ステロイドなど、はっきりと強弱のある薬もありますが、血圧などは・・・「あなたは中ぐらいの数値だから中くらいの薬ね!」と単純に決める事は出来ません。
血圧を下げる薬(降圧薬)は大きく分けて6種類あります。

①Ca拮抗剤→ 血管を拡げて血圧を下げます。
②ARB→ 血圧を上げる物質(アンジオテンシンⅡ)が受容体に結合するのを阻害して血圧を下げます。
③ACE阻害薬→ アンジオテンシンⅡを作らせないようにして血圧を下げます。
④β遮断薬→ 心臓のポンプ機能を緩やかにさせて血圧を下げます。
⑤α遮断薬→ 血管の収縮を抑えて血圧を下げます。
⑥利尿薬→ 尿を出すことによって血管の中を流れる水分を減らすと同時に尿と一緒にナトリウムを排出させます。

患者さんの病態や検査値、合併症(他に悪い所は無いか)などをみて、その人に合った薬を選択します。
同じ薬の中で10㎎と20㎎など、量の多い少ないはありますが、違う効き方(作用機序)をする薬を比べる事は出来ないのです。
その人に合っていれば血圧も下がり、良く効く薬という事になります。

睡眠薬にも同じような事が言えます。「眠れない眠れない」と一言に言っても不眠のタイプは色々あります。
寝ようと思ってもなかなか眠れないのか、すぐに眠れるけど夜中に何度も目が覚めてしまうのか、その人の悩みに合わせて先生は薬を選びます。

①超短時間型→ 寝つきが悪い人に適した薬で服用後10分~15分くらいで眠くなります。
②短時間型→ 超短時間型よりも少し効果が長い睡眠薬
③中時間型→ 寝つきは良いけど途中に目が覚めてしまう人に適した薬
④長時間型→ 朝早く目が覚めてしまう人向き。ゆっくりと長く眠れる事を目的とした薬。

ですから、寝つきが悪い不眠の人に長時間型の薬を出しても「全然眠くならない!効き目が弱い」と思われる可能性もあると言う事になります。

そして、こんな時にも役に立つのがお薬手帳!!(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ
「以前飲んだ、この薬はあんまり効かなかったんだよね~。弱いの?」と聞かれても手帳があれば、この薬でしたらこのタイプなので・・・と答える事も出来ます。是非、お薬手帳をご利用下さいねっ♪ 皆様の疑問は解決しましたでしょうか?

それではまた~ヾ(*^▽゚)
登録販売者 藤田