マイナンバーカードの保険証利用について

薬局長のサトルです。

早くも6月になり、朝夕は冷えるのに日中は蒸し暑く
身体に負担がかかる日が続きますね。

さて昨今、ニュース等でも話題になっておりますが、
マイナンバーカードと保険証を一体化させた「マイナ保険証」について
今回は書いてみたいと思います。

現時点で国内全体では4割強の方がマイナンバーカードを申請済です。
その中でご自身の保険証の情報をひも付けして「マイナ保険証」として利用できる方は
15%とされています。

この割合を見ると、まだまだマイナンバーカードもマイナ保険証も
普及しているとは言い難い状況ですが、情報のひも付けが完了すると、
大きなメリットがいくつもあります。
↓厚生労働省のHPより。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22682.html

この「マイナ保険証」の利用方法ですが、
医療機関でカードリーダーにかざし、
顔認証か暗証番号を入力するだけで健康保険証の情報が
医療機関側で閲覧可能となり、
これまで発生していた情報入力のミス等を防ぐ事が可能となります。

ただ5月中旬の時点で、
この医療機関側のカードリーダーの導入率は全体の19%との事で、
大半の医療機関ではまだ、マイナ保険証を読み取る事ができません。
実は当薬局もカードリーダーはかなり前から入手済なのですが、
後述の理由でまだ運用には至っておりません。

そんな中、
政府は5月25日にマイナ保険証とそのシステムの導入を
令和5年4月から義務化するとの発表をし、
健康保険証を原則廃止していく考えを明らかにしました。

更に報道では、
このマイナ保険証を医療機関で利用した場合、
利用者側の金額が高くなる事も同時に報道していました。

そのため、ニュースでは「マイナ保険証を利用すると金額があがるなんて!」と、
非常に否定的な意見が出てきており、
これでは普及にブレーキがかかる事が懸念されるため、
現在はこの点の見直しを検討しているようです。

我々医療機関側からすると、導入に際しては、
マイナ保険証のカードリーダーの購入が必要となります。
この装置に関しては後に助成されるので、負担はほぼかかりませんが、
薬局において患者情報や調剤情報を統括するコンピュータ、
いわゆる「レセコン」と上述のカードリーダーは直接接続する事ができず、
レセコンとカードリーダーの架け橋となる装置の購入が必要となり、
尚且つそのオンライン通信費用は
毎月我々の負担となります。

この固定費の負担はかなり厳しく、
そこを軽減するために前述のように利用者に対しての負担を増やしたとも捉えられますが、
当薬局で仮に全ての患者さんがマイナ保険証を利用してくれたとしても、
とてもではないですが、システムの運用費を補填する事はできません。

そのため、本心としてはこのシステムを早く導入したいのですが、
この固定費がかかる事については事前の説明が国からも全く話に出ていなかったので、
すぐには導入に踏み切れず躊躇している状況です。

更に、このマイナ保険証の導入に関しては続きがあります。
令和5年の2月からは紙で発行していた処方箋が、電子処方箋に切り変わります。
とは言ってもいきなり全部が切り替わるとは考えづらいので、
段階的に切り替わっていくものと思われます。

この電子処方箋の情報もマイナ保険証に組み込まれると想定されますので、
我々医療機関サイドは早期にシステムを導入する事が必須にはなっていくでしょう。

以上の点からも、早く導入したいとは思うのですが、
やはり費用が最大の問題です。
国が主導している以上、その運用に対しての費用ももっと負担してもらわないと
全医療機関への導入は難しいのではないでしょうか。

既にこの9年で8,800億円もの血税が
マイナンバーカード関連で使われているようですが、
IT超後進国の日本が来年の4月までにこのような医療インフラを整備するのは、
ちょっと難しいのではないかな…と考えております。

まず、私はマイナンバーカードを申請しないと…。
正直、情報は後でネットから入れられると思いますので、
まずはカードだけ住所特定者に配ってしまえば良いのに…
と、思うのはズボラな私だけでしょうか。