マイナンバーカードと電子処方せんについて

薬局長のサトルです。
久々の投稿になります。
明日から7月ですが蒸し暑い日が続きますね。


さて、最近は悪いニュースが報道されがちですが、
当薬局も渦中のマイナンバーカードの読取り装置を
本年3月に設置しました。
この三ケ月に来られた患者さんのうち約5人に1人の方が
マイナンバーカードを保険証(マイナ保険証)として利用されています。

マイナ保険証として利用された方は
私が以前のブログ(下記参照)に記載した状況が改善され、
https://appli.e-classa.net/pharmacy/preview/blog/202206031915.html
お薬代のうち3点分が減額される運用と現在変更されています。

ただ、3点というのは
医療費負担割合が1割の方だと実質10円下がるかどうか…
という点数ですので、
マイナンバーカードに関する不備が毎日のようにニュースで報道されている状況を考えると
「積極的にマイナ保険証を利用したい!」
と思う患者さんは少ないのかも知れません。

また、本年4月以降は導入が義務化になっていたはずの
マイナンバーカードを読み込める装置が設置してある医療機関は
全体の78%(2023年6月25日現在)と、
未だに歯科を含め1/5以上の医療機関では未設置となっております。

もちろんこの装置を設置したからには、オンライン通信費用が毎月かかりますし、
これが我々としてはかなりの負担額になるため、
義務化のはずなのに、未だに導入していない医療機関がある点は
不公平感が否めないです。


そんなこんなで、まだまだ色々と問題点が数多く残されたまま運用を開始した
マイナンバーカードですが、
今後、大きく変わっていくのは「電子処方せん」による
医療機関と薬局のやりとりです。
↓厚生労働省のHPより。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/denshishohousen_kokumin.html

今後は医療機関からマイナンバーカードの中に処方せんの情報が電子的に入れられ、
薬局ではそのマイナンバーカードに入った処方情報を読み取る事で、
これまで通りの調剤を実施する事ができます。
これが「電子処方せん」による運用となります。

医療インフラがきちんと整備されれば、
これは医療機関や薬局だけでなく、
患者さんにも大変メリットのある運用となります。

この電子処方せんの運用は
既に今年の1月から開始されているため、
一部(約2.5%、2023年6月25日現在)の医療機関と薬局では利用されておりますが、
まだまだ広く服用しているとは言えない状況かと思います。

当薬局も電子処方箋を受け取るためには
また新たに機器やシステムを購入しなくてはならないため、
更なる負担が増える事になり、
導入はしたいのですが、すぐには難しい状況です。

この辺りの負担を国としてしっかりカバーしてくれれば、
各医療機関においての導入率も上がると思うのですが、
既にこの10年で約3兆円近い血税がマイナンバーカード関連で使われているようなので、
我々への補助を出す余力がないのかも知れません。


マイナンバーカードの取得は任意ですが、
保険証や電子処方箋の利用だけではなく、
数年後には免許証などの重要情報も
マイナンバーカードに組み込まれていくと思われます。

もしマイナンバーカードを持っていないと
もの凄く不便な生活を強いられる事が予想されます。
今使うのは不安と感じている方も、
まずは申請してカードを持っておく方が賢明かと考えています。