【低体温特集】

◇ 低体温症特集
★地球の体温は上昇中(温暖化)??人間の体温は下降中??
気象観測によると、地球の体温といえる世界の平均気温は、100年間で0.6度C上昇。日本ではさらに激しく、1.0度C上昇。100年後には1.4~5.8度C上昇すると予測されます。これは皆様ご認識のとおり『自然の環境破壊』による
もので、全世界の問題にまでなっているのが現状です。
それに反して、私達人類の体温は年々「低体温化」の傾向に
あります。人は体毛がないことから、学説では300万年前に
アフリカ大陸(熱帯)のゴリラから派生したと考えられています。
「南生まれ」の私達は、暑さへの体温調整はできても、寒さには
対応しにくい生き物であるといえます。日本人の死亡時間帯を
見てもわかるように、一年を通じて「冬の午前三時~午前五時」
が最も高い死亡率となっています。
★低体温になるとどうなる?
最近の子供には低体温症が増加していて、大きな社会問題にまで発展しています。
では、低体温であると人間の体はどのように変化するものでしょうか?まず、低体温イコール基礎代謝の低下(新陳代謝の低下)になると言えます。低体温は、食物からの栄養素をエネルギーに変えづらく、熱もでないため大変疲れやすくなります。また、体の新陳代謝が悪いため脳の働きも悪く、無気力・無関心の状態に陥りやすくなります。近年増加の「うつ病」は、複雑な社会環境が原因ともいえますが、そのうちの一部がこの「低体温症による新陳代謝の低下」というものが拍車をかけていると断言できます。
また、基礎代謝の低下により血管が収縮しそれによる冷えなどがあらわれやすくなります。また、血流が悪くなることにより免疫力も低下し、感染症の病気(かぜなど)にかかりやすくなる。と言えます。免疫力が慢性的に低下していると、ガンなども発症しやすくなり、病気に対しては良いことがありません。
そして、何よりも正常体温と低体温の方の決定的な違いは「老化の進行」にあります。低体温症の方は免疫力・体内の酵素の働きが弱いため、すぐ細胞が傷つきやすく、老化の進行が加速します。若いうちは感じませんが、20~30年と年を重ねるにつれ、見た目にも大きく差が開いていくことが予測されます。
そして熱カロリーになりにくいため、少しの食べ物でも肥満化しやすくなります。燃えないカロリーはすべて体脂肪として蓄積されてしまいます。
★低体温症が増加する原因
前述のように低体温症になると、体に様々な良くない変化が起きます。実際の数字として、体温が1℃下がると「基礎代謝は12%」「免疫力は30%」低下します。では、どうして低体温症の人が増えているのでしょうか?
①体熱の40%以上を作り出す筋肉が運動不足のために使われなくなった。
ここで、体の熱はどこで作られているか?ということを考えなくてはなりません。
                 ◎安静時における体内熱生産量分布図
                   全身の筋肉⇒22%      肝臓⇒20%
                   脳      ⇒18%      心臓⇒11%
                   腎臓    ⇒ 7%      皮膚⇒ 5%
                   その他   ⇒17%
                  このように、安静時でも筋肉の熱量産生が最も多いことが理解できます。そして体を動かすことにより、筋肉の熱生産量はさらに上昇し全体の80%にまで達します。
いかに、現代人は運動不足かということがわかるかと思います。
最大の発熱器官である「筋肉」を鍛えることが、体温を上昇させるコツであることがご理解できると思います。マラソンの高橋尚子選手は、走行中最高体温が45℃まで上昇します。
②過食に伴う低体温化
何でも好きな食べ物がすぐ手に入る現代では、明らかに過食の傾向が大きくなっています。過食がすぎると血液が胃腸に集中するため、他の部分の血流が悪くなります。
③冷水分の取りすぎ・冷房の多用による体の冷え
④ストレス
現代人は、多かれ少なかれ誰でもストレスを抱えていると思いますが、このストレスは低体温を引き起こす原因となります。ストレスが高くなると自律神経の中の交感神経というものが優位にたち、常に血管を緊張させ収縮の状態にあります。そのため、血流も悪化し、新陳代謝が低下すると低体温症になります。
⑤喫煙
喫煙は体の温度を低下させます。
⑥シャワーだけの入浴(鳥の行水方式の入浴)が増えている。
⑦最大の原因である「自然に反する食事」「栄養バランスの悪い食事」
食事の内容の悪化に関しましては、常に会報にてご紹介しておりますのでここでは割愛させていただきます。しかし、ここでひとつ考えなくてはならないのは、「良い食事と勘違いしている人が大部分」ということと「良い食材が手に入りづらい」という現実があります。ほとんどの人は自分の食事は大丈夫と考えていますがそこが盲点なのです。