乾物を活用しよう

乾物とは、保存性を向上させるために、水分を抜き乾燥させた食品の総称です。保存期間が延びることに加え、乾物にすることによって生のものより栄養価や風味が増す食品もあります。

≪乾物とその栄養≫
◎干しシイタケ(戻し率4倍)
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。ビタミンDは魚介類やきのこ類、卵などに多く含まれていますが、なかでもシイタケに含まれるビタミンD2は体内でよく働きます。さらに干しシイタケにすると生シイタケの10倍の量になります。干しシイタケ1~2枚ほどでビタミンDの一日の推奨量(18歳以上で5.5㎍)をとることができます。

◎昆布(戻し率3倍)
昆布だしの主成分は、グルタミン酸です。昆布は天日干しにすると細胞膜が壊れます。乾燥した昆布を水に浸すと、うま味の素になるグルタミン酸のほか甘み成分や粘り成分が出てきます。カルシウム、鉄などのミネラルを多く含みます。
最近では水溶性食物繊維で粘り成分の「アルギン酸」「フコイダン」も注目されています。

◎切り干し大根(戻し率4倍)
せん切りにした大根を天日で干し、乾燥させてものです。生の大根の水分が飛ばされた分だけ、ぎゅっと濃縮したうま味や甘みが味わえ、むくみの解消や高血圧の予防改善に役立つカリウムや骨を丈夫にするカルシウム、貧血を予防する鉄分などの栄養素が飛躍的に高まります。

◎高野豆腐(戻し率6倍)
高野豆腐は、うすく切った豆腐を凍らせて水分をぬき、乾燥させて作ります。たんぱく質やカルシウムを多く含んだ、消化のよい食品です。たんぱく質は私たちの血や筋肉を、カルシウムは歯や骨を作ってくれます。

◎ひじき(戻し率8~10倍)
ひじきには、骨を強くするカルシウムや腸をきれいにする食物繊維が多く含まれいています。さらに、皮膚を健康に保つビタミンAも多く含まれています。



乾物は食材によって、戻し率(戻した時に、重量が何倍になるか)が違います。戻し率を目安にして、使用しましょう。煮物や汁物に乾物を加えることで、手ごろに栄養のバランスの良い食事が出来上がります。ぜひ、日々の食事に乾物を活用してみてください。