ぎんなん(銀杏)イチョウ

紅葉も今が見頃ですね♪

秋になるとイチョウに実る銀杏(ぎんなん)は、独特の臭いを放ちます。でも、この実の中にある種は、栄養価が高く、回りの殻を処理することでおいしく食べることができるんです。
今回は銀杏の栄養や効果効能、食べ過ぎの中毒症状や副作用、殻の処理方法などについて調べてみました。

☆銀杏(ぎんなん)の栄養や効果効能は?
銀杏は、種の中の仁(じん)と呼ばれる部分を食用にして楽しむことができます。仁はでんぷん質を多く含み、もちもちとした歯ごたえがあります。
●栄養
脂質、糖質、たんぱく質、ビタミンA・B群、ビタミンC、鉄分、カリウムなど多くの成分を豊富に含んでいます。特にビタミンB1とミネラルのバランスがよく、糖質が多いことが特徴です。
●効果効能
糖質が豊富なことから、即効性のあるスタミナ食や薬用として中国では古くから食用に利用されていました。

ビタミンB1も多く含まれ、脳の中枢神経や手足などの末梢神経の機能を正常に保つ働きがあります。結果、疲労回復や食欲不振、肩こり、イライラの解消などが期待できます。

また、カリウムには体外へ余分な塩分を排出する働きがあり、利尿作用のほか、高血圧やむくみの改善に有効とされています。

☆銀杏(ぎんなん)の食べ過ぎの中毒、副作用は?
ビタミンB6の吸収を妨げる「メチルビリドキシン」という物質を含んでいますが、大人は、肝臓に解毒する酵素があるため、大量に食べない限り中毒症状はめったに起こりません。
ただし、子供は5~6粒摂取しただけで中毒を起こす場合があります。痙攣や吐き気などの症状を引き起こし、最悪の場合死に至ります。すぐにビタミンB6を摂取すれば症状は改善されますが、食べ過ぎには注意してください。

☆銀杏(ぎんなん)が臭いはなぜ?かぶれるの?
足の裏の臭いとも例えられる銀杏の臭いは、酪酸とペプタン酸が原因です。独特の香りは、種が食べられるのを防ぐために備わった自然の本能です。ネズミやサルなど野生の動物は、銀杏の実を食べません。
また、銀杏の果肉にはギンコール酸が含まれており、触るとかぶれや皮膚炎を起こします。また、稀に胃腸障害や頭痛、下痢、発疹といったアレルギー反応がでることもあります。銀杏を採取したり、殻の処理をしたりするときは、必ずゴム手袋を着用しましょう。

☆銀杏(ぎんなん)の殻の処理方法は?
食用できる仁は、硬い殻に覆われています。お店で購入するものはすでに処理がされていますが、銀杏拾いをしたものを自分で処理することもできます。以下に殻の処理方法をご紹介します。

1. ボウルなどに水をはり、銀杏の実を入れてふやかす
2. ぶよぶよになるまでふやけたら、ゴム手袋をして実を崩し、種を取り出す
3. 種を天日干しで乾燥させる
4. 種が十分に乾燥したら、新聞紙でくるみ、硬い棒などで殻を叩く
5. 殻から仁を取り出す
6. 銀杏がかぶるくらいのお湯を沸かし、穴じゃくしの上で転がしながらゆがく
7. 薄皮がとれ、透明になってきたら、お湯から出して水につける
8. ざるに上げて水気をきる

☆銀杏(ぎんなん)の保存方法は?
●常温保存
殻のついた状態で、新聞紙にくるんで保存します。常温の涼しいところに置いていれば1週間~1ヶ月はもちます。ただ、長い間放っておくと、実が乾いて縮み、固くなってしまうので早めに食べるようにしてください。
●冷凍保存
長期間おいしく保存したいときは、冷凍保存がおすすめです。2~6ヶ月間はいい状態をキープできますよ。

殻つきならフリーザーパックに入れておくだけでかまいません。殻をむいて処理したものなら、少量ずつラップにくるんでフリーザーパックに入れておきます。ラップやフリーザーパックに入れるときに、空気を抜いておくと酸化を防げます。

☆かぶれに注意しながら銀杏の実を楽しもう
銀杏は、きつい臭いとかぶれが心配なことから、敬遠しがちな食べ物です。ただ、実の中にある種は、翡翠色が目に鮮やかで、独特の苦味がくせになるおいしさです。

また、栄養も豊富で、体の不調も改善してくれます。食べ過ぎには注意が必要ですが、晩ごはんに少し銀杏を加えてみると、食欲の秋を楽しめそうですね。