笑顔について(その1)

最近、認知症のコマーシャルで「おばあちゃんが笑顔になるとお母さんも笑顔になる」というのがありますよね。

実は私の兄は脳神経外科医。その兄と認知症について話す機会がありました。兄の認知症治療の信条は「笑って暮らせる様になること」なんだそうです。進行性の病気は全てそうだと思いますが、だんだん症状が悪化していくのを実感しながら日々を過ごすことは想像できない位、ものすごい恐怖なんだろうなと思います。1年前にできた事ができなくなる。1ヶ月前にできた事ができなくなる。1日前にできた事ができなくなる。
だから、兄曰く、「本人が一番困っているんだ」と。

周りの人間はなんとか1日前、1ヶ月前、1年前の状態に戻って欲しいと願う。それは理解できるけれども、そう期待されて一番困るのは認知症を煩った本人だし、日々できなくなることが増えることを実感して一番困っているのもご本人なんだ。周りの人間が心がけなければいけないのは、元の状態に戻ってもらうことを期待することではなく、ご本人が困らない状況を作ってあげることなんだと思うよ。と…

そして、最後に言われた言葉が「笑って過ごしていて欲しいんだ。そう思って診察をしている」でした。

「なるほどな」と思っていた矢先に始まったのが冒頭に書いたCMでした。

認知症に限らず、病気であっても笑顔でいて欲しい。そして、お店を出るときには笑顔でいて欲しい。そういう薬局を目指したいと改めて思った瞬間でした。

笑顔について、、、はもう少し続きます。