笑顔について(その3)

笑顔について書かせていただいていましたが、最近、ちょっと考え方の変わることがありました。

私の両親は二人とも、がんで他界しています。母は10年間、病と戦い続け、父も陰ながらそんな母を見守っていました。父が「がん」だと分かったとき、私も兄も、がんのできた場所から考えて厳しい道になるなと思っていました。でも父には戦う意志があった。母と同じ様に、お医者さんの言うことを信じて頑張っていこうとしていました。だから、私も兄もそれを見守っていくことにしました。でも、病はそんなに甘くなかった。手術をした後、抗がん剤治療も進める予定でしたが、体力が戻らず、抗がん剤治療も1回だけで、本当にあっという間に力がなくなっていってしまいました。そばでみていて辛かった。でも、ジレンマもありました。昨日できた事が今日はできなくなる、その事は見ている私自身も怖かったし、イライラもしました。「元気になってよ」という想いが逆に想いやりを奪っていった。父はできないことを「やって」という事が多かった。「あれをとって」「これをして」と。。。甘えの様に感じてしまいました。でも、今になってみれば、本当に力がなくて出来なかったんです。父自身も怖かったと今は思う。そんな父を支えていたのは、息子でした。当時、息子は10歳でしたが、本当によくやってくれました。私が恥ずかしくなる位。
だから、息子には感謝しています。

昨日、ふと思ったんです。私は「元気になって」と思ってはいけなかったんじゃないかな?って、、、現実が非常に厳しいことは分かっていました。でも父には戦う意志があった。だからそれを応援したかった。元気な父に戻って欲しかった。それでも、私が願い、心がけなければいけなかった事は父に「笑顔でいてもらうこと」だったんじゃないかな?ただ、笑って過ごしてもらうことだけを考えて、接していればよかったんじゃないかな。と。。。息子は父に笑顔でいてほしかっただけなんじゃないかな。って。
それだけでよかったんじゃないかな。。。

看病も介護も「笑顔でいてほしい」と願うだけでいいんじゃないかなって。。。

実は、このブログで、笑顔について書き、昨日は「与える愛ではなく、気がつけばそこにある愛」について書いてから、そんな風に考え方が変わりました。

笑顔にはパワーがある。そして、みんなには笑顔でいて欲しい。笑顔の連鎖が産まれるような、そんな笑顔でいたいな。。。

目指す頂は遠いなあ。。。。