熊本地震への災害派遣薬剤師

 5月5日から8日の4日間、熊本県の益城町の
避難所への災害派遣活動に参加してきました。

 担当は、益城町保健福祉センターです。
大分県のモバイルファーマシーを設置してある
避難所です。

 初日は、多くのメンバーが入れ替わる時期とのこと、
長崎班8名、岐阜班3名が昼過ぎに活動を終了しました。
この日に到着したのは長崎3名、大分1名。
 長崎班は、連休を境に大きくメンバーが変わる、
ハブ的存在であり、慢性期から収束し、
ボランティアから地域へ活動を戻していく過渡期で
毎日状況が変わっていくというタイミングでしたので、
前任者達から、多くの情報を引き継ぎました。

 参加者の地域によって、日帰り、一泊二日、二泊三日と
様々で、日本薬剤師会の基本とする3泊4日で、切れ目なく
メンバーが交代するのは東京班と長崎班だけでした。
 情報・メンバーを統括するリーダーは継続して東京班が
任務につきますが、継続している長崎班はサブリーダー的
存在だったといえます。

 初日は引き継ぎと、OTC対応。
二日目はモバイルファーマシーでの調剤・投薬。
三日目は各所巡回。
最終日は次の班への引き継ぎと、環境衛生など。
 支援活動はもちろんですが、スタッフに一通りの
仕事を経験してもらい、将来へ知識と経験を残すための
配慮がみられます。

 6日には、愛知班3名、東京班3名、が終了し、
新たに東京班3名、福島班3名(5日間)、
岩手班2名(5日間)佐賀班3名(一泊二日)が入りました。

 佐賀班には二回目派遣のベテランがいるので、
長崎班は、福島・岩手班に情報を伝えるという仕事を
任されました。

 以前の被災者である東北班との情報交換は、
長崎9班にとって、今後の活動の幅が広がる、
大変貴重な時間でした。

 薬剤師会の総合リーダーである、熊本県薬常務理事、小林先生との
出会いも大きいものでした。薬剤師がどのように活動するか
人員配置・情報収集だけでなく、
過剰な活動を押し付けられないため、他の団体・行政との交渉。
これは今までの自分には無かった視点・活動なので、
目の覚める思いでした。
(通常だと、頼られると何でも引き受けてしまいがち)。

 それぞれの仕事で、日赤、JMAT、保健師団体などと
連携をする機会も多くありました。

 4日間、多くの事を経験させてもらったが時間ですが、
帰って来た当日、一番頭に残ったのは、
悲しいことに、薬剤師という職業の「認識の甘さ」でした。
 勿論、多くの活躍をしています。被災者の方から、
多くの感謝の言葉をいただいています。ですが、
ツメが甘いように感じる機会がチラホラありました。
24時間体制では無いんです。たまに、綻びが見えます。
 すぐ隣に自衛隊が控えていたので、その比較から
特にそう感じるのかもしれません。

 私が、4日間で出来たことは限りがありますが、
その時間で経験したことは、今後の自分自身にとって
プラスとなり、これから出会う多くの患者さんの笑顔に
つながると信じています。