食欲の秋と糖質の関係
秋になると食欲が増すのはなぜでしょう。「実りの秋」とも言われるように、美味しいものがたくさん出回ることもありますが、暑い夏が過ぎ気温が下がってくると、体は体温を保つためにエネルギーを蓄えようとします。そのため、人間の本能として、自然に食欲が増してくるのです。その上、秋においしくなる食材も、エネルギー源になりやすい糖質(でんぷん)が多いものが中心。食欲にまかせて秋の味覚を食べ過ぎると、太ってしまうのも当然なのです。
最近は「糖質オフダイエット」など、糖質をとらないダイエットも流行していますが、我慢はストレスの元。特に秋は、体が糖質を求めているので、無理に我慢すると食欲が爆発して、コントロールできなくなる危険もあります。また、脳や神経系、赤血球、筋肉などは糖質を直接のエネルギー源としており、糖質が不足すると代謝が落ちて、かえって太りやすい体になることもあります。
糖質は同じ量を食べても、一緒に摂る食品や食べる順番、食べる時間など、食べ方次第で太りにくくすることが可能です。太りにくい食べ方を身につけて、食欲の秋を思いきり楽しみましょう。
太りやすい食べ方と太りにくい食べ方の分かれ道はほんのちょっとした差。普段やっているのはどちらか、チェックしてみましょう。
原形が残っている方を選ぶ
おはぎの「粒あん」と「こしあん」のように、材料の原型が残っている方が食物繊維を豊富に含むため、血糖値を上げにくく、結果として糖質が脂肪として体内に蓄えられにくくなります。白米より玄米、皮をむいた果物より皮付きの果物、スイートポテトより焼き芋のほうが、太りにくいと言えます。
糖質の低い方から食べる
まず野菜から食べて炭水化物を最後にする「ベジタブルファースト」は、ごはんやパンなど糖質の吸収をゆるやかにして、太りにくくする食べ方です。ただし、野菜の中にも糖質が高いものがあるので要注意。にんじん、玉ねぎ、かぼちゃ、れんこんやごぼうなど、食べて甘みを感じる野菜は高糖質。野菜炒めやサラダなどで野菜を摂るときはキャベツやレタス、ほうれん草などの葉野菜を先に食べるように意識しましょう。
糖質同士は一緒に食べない
焼きそばをパンにはさんだ「焼きそばパン」や、ラーメンとご飯の「ラーメンセット」のように、糖質どうしの組み合わせは一番太る食べ方です。糖質だけでお腹がいっぱいになるので、たんぱく質やビタミンなど、食べたものを燃焼させる栄養素がほとんどとれなくなり、燃やせなかった糖質が体脂肪として蓄積されてしまうのです。栗ご飯や芋ご飯などを食べる時は、ご飯を少なめにして、おかずでたんぱく質や野菜をしっかり摂るようにしましょう。