香りと酸味を楽しむ香酸柑橘(こうさんかんきつ)の世界

香りの歳時記
「香酸柑橘(こうさんかんきつ)」という言葉をご存知ですか? 香酸柑橘はその名の通り、果肉を食べるのではなく、果汁の香りや酸味を楽しむための柑橘類を言います。日本ではすだち、かぼす、ゆず、シークワーサーなどが挙げられ、その種類は30種類以上あるとも言われています。
香酸柑橘の香りや酸味はさまざまな料理に使われます。夏は冷たく冷やした出汁にそばを入れ、すだちの輪切りを浮かべた「すだちそば」、秋には焼いた秋刀魚に軽く絞って、冬の鍋にはゆずを使ったポン酢で。まさにその香りと酸味は日本の料理の名脇役です。