かかりつけ薬局

9月になって、日が暮れるのが早くなってきました。
夏好きな私には少しさみしくもあり…。

今日は薬局、薬剤師って何をしてるの?というお話。

病院で渡された『処方箋』。
これを持って調剤薬局に行って、薬を受け取りますよね。
ここまでは皆様知っていること。

実は、この『処方箋』にはいろいろなトラップがあります。

まず、医療費はみなさんの保険を一部使っていますので
処方箋には患者さん個人の『保険者番号・記号』の記載があります。
そして患者さんの氏名、生年月日、
かかった病院と先生の氏名・押印、処方箋発行日等々。

これがひとつでも抜けていた場合、
保険の医療費支払機構から支払が下りない事があります。

具体的に言うと
「風邪で病院にかかった。窓口で900円支払って薬を受け取り、3日で治った。…が、処方箋の記載の不備があったので、3ヶ月後に《医療費が保険で下りませんので残り7割分、2100円を追加で払ってください》と通知が来た。」
なーんてことが起こり得る可能性があるってこと!(驚)

そんなことが起こらないよう、まずは処方箋の記載事項が
きちんと揃っているかをチェックします。

そして次に。
処方されている薬が
きちんと患者さんに合った量・飲み方なのかのチェック。

あまり知られていないことですが、
薬にはそれぞれ厚生労働省によって定められた
用法・用量が存在します。

Aカプセルは1日2回食後、経口投与。
体重○kgの場合は○gを1日3回投与。

という感じ。
それに加えて適応症といって、その薬を使うことができる
疾患名も定められています。

これがひとつでも間違っていると
またしても支払機構から【ダメー!】と突っ返されてしまうので
慎重にチェックします。

処方箋発行にはたくさんの方の手作業が加わっているので
(お医者さん→ナースの方への伝達ミスや、事務の方のタイプミスによる印字間違え)
実は処方箋の記載の間違えは珍しいことではありません。

私自身の経験ですが、
名前の似ているアレルギーの目薬と抗生物質の目薬を
間違って処方されていて
お渡しする前に病院に確認し、間違い発覚!
なんてことがごく最近ありました。

チェックの結果
薬の量や種類が患者さんに適正でないと判断した場合は
必ず病院にもう1度チェックしていただき、
適正な量や種類に直してもらいます。
(量や種類を病院と薬局の2段階でチェックできるというのは
 院外薬局のメリットでもあります)

また、薬局で
「他の病院から出されている薬はありませんか?」と
聞かれることもあると思います。

病院でも聞かれたよ…うるさいなぁ…

と思うかもしれませんが!
他の名前の薬でも作用がかぶって危険だったり
一緒に飲んではいけない薬が出ていたり(禁忌、と言います)
目薬や湿布などと飲み薬が同じ成分だったりすることもあります。

この場合は必要以上に体に入れてしまうと
非常に危険な場合があります。

また、人によっては
粉薬が苦手、カプセルが苦手、など
飲みづらい薬があって「嫌だな…」と思いながら
受け取って→飲まない→治らない
というパターンも。

これじゃ薬代の無駄だし病院にかかった意味ないですよね!

薬局で相談してもらえれば剤型を変えてお渡しすることができます。
または錠剤を割って小さくして渡すことも可能。

お医者さんに言いにくい方にはオススメ(笑)

また、粉薬や軟膏の薬は
あらかじめパッケージされているものもありますが
その場で適正量を計ってパッキングして作ることも多いです。
錠剤に比べるとその分時間もかかります。

ここまでして、やっと患者さんにお渡し…
と、思いきや

最後の関門。
患者さんの症状が、処方された薬の
『適応症』に当てはまるか?

処方箋にはその患者さんの病名は書かれていません。
患者さんの症状を口頭で聞かないと
適切な処方内容なのかチェックできないんです。

言いたくないことを二度手間で言わせているのは
承知の上ですが、すべては患者さんに
後々起こり得るリスクを減らすため。

ご了承のうえ、聞き取り調査にご協力いただけると助かります。

というわけで、これだけの業務を毎回
なるべく患者さんをお待たせしないように心がけながら
間違いのないよう頑張ってやっています。



あ、そうそう!
ここまで言ったのでむぎのほ薬局の裏ワザをひとつ。

長年飲んでいる薬、なんだか地味に余ってきたりします。
毎日飲んでいるはずなのに気が付けば20錠、30錠。
これ、どうしていますか?

むぎのほ薬局にお持ちいただければ次回に再利用したり
使用期限の切れた薬は廃棄したりできます。
昔もらったけど何に効く薬かわからなくなってしまった薬も
お持ちいただければ調べます。

もちろん無料で!!!!!(*^_^*)d

ぜひご利用くださいね★



むぎのほ薬局
龍ヶ崎市若柴2500-28
TEL・FAX 0297-61-5112

(※画像はイメージです)