熱さまし・痛み止め・炎症止めを飲むと胃が痛くなる。なぜ?

 熱さまし・痛み止め・炎症止め(解熱鎮痛抗炎症)のお薬を薬局で渡されるとき、薬剤師から「必ず食後に服用してください」と言われたことがありませんか?もちろん、他のお薬であっても、医師から処方された通りに服薬していただきたいのですが、特に解熱鎮痛抗炎症のお薬は、食後に服用して頂くことが必要です。
 
その理由は主に二つあります。

 一つは、お薬が直接胃の粘膜に接触にて、胃の壁を荒らすためです。風邪などで一般に処方される解熱鎮痛抗炎症剤のほとんどは酸性ですので、空腹時には胃の壁を直接刺激したり、粘膜を荒らしたりして胃に痛みを感じさせることがあります。胃の中に食物が入っている状態であれば、胃粘膜も盛んに分泌されているし、食べ物が胃の壁を保護してくれますので、その分胃の障害も生じにくいといえます。

 もう一つの理由は、痛みを起こさせるプロスタグランジンという体内の物質に関係します。ある種のプロスタグランジンには炎症を生じさせ、痛みを起こさせる働きをしているので、解熱鎮痛抗炎症は作用と同時に胃粘膜を弱めてしまいます。
 
 以上の主な二つの理由から、解熱鎮痛抗炎症剤は、飲み方について特に指示のない限りは食後に服用するようにしてください。食事の時間に合わない場合はお菓子でも良いし、冷たすぎないコップ一杯の水を最後まで飲み干して服用するようにしてください。