食物アレルギー


梅雨から夏に入っていくこれからの季節、食べ物には十分気を付けてください。
 特に気象条件の異常よって、野菜・果物が打撃を受けており、新鮮なものが入りにくくなっています。賞味するまえに、色やにおいに気を付けることが必要です。季節の変わり目は、人間の体質の変わり目でもあります。普段は何ともない食物でも、その時からだに合わなければ食物アレルギーが起こり得ます。

 食物アレルギーといっても症状は多彩で、軽いものから死に至る重篤なものまであります。

 もっとも多い症状は皮膚症状で、体の各所にジンマシンやかゆみが現れます。ジンマシンが粘膜上に現れると、のどのイガイガ感や唇の腫れ、さらには目の周囲や目の粘膜が充血して腫れたり、からだにむくみが出たりします。また、粘膜に症状が出るということは、呼吸器や消化器にもその症状が現れます。声がかれたり咳が出たり、場合によっては呼吸困難になることもあります。消化器症状では下痢、嘔吐、腹痛などの症状が起こります。

 そして、アレルギーの中でも最も重篤な恐ろしい症状はアナフィラキシーと呼ばれるもので、2つ以上の臓器に症状が出る場合を指します。アナフィラキシー発症時、意識がもうろうとしたり急激に血圧が下がったりすることをアナフィラキシーショックといい、一刻も早く病院で処置をしなければ生命に関わります。恐ろしいことにこのアナフィラキシーショックは即時型といって、2時間以内に急激に症状が進行します。医師でも進行の度合いを見極めることは困難なので、アレルギー反応が起こっているとわかった時点ですぐに病院へ行くようお勧めします。

 これらの食物アレルギーは、お薬でも全く同じことが起こります。薬剤師会が薬のネット販売やコンビニなどでの安易な販売に反対する理由はここにあります。過去にアレルギーの経験がある方は、薬局でお薬を購入する前に薬剤師から十分に説明を聞いてから購入されるようお勧めいたします。

 アレルギー反応は、体の中で何が起こっているかについてはかなり研究が進んでおり、治療法もある程度確立されています。しかし、ではなぜアレルギー反応が起こるかということは、いまだ解明されていません。したがって、誰にでも起こり得る反応だという事を意識して、その兆候が出たら適切な対処ができるよう、日ごろから注意し、正しい知識を持っておいてください。