ハブラシ選びから元気に!

皆さんは普段どのような基準でハブラシを選んでいますか?

正しい歯ブラシを選び磨くことは、歯周病のほか糖尿病など全身にかかわる疾患と大きく関係していることが分かってきました。
歯周病を予防・改善するためには自分に合った歯ブラシを選び、毎日毎食後の歯ブラシを行うことが大切です。また、定期的に歯科医で歯石を除去するスケーリングを受けるようにしましょう。ここではハブラシ選び、磨き方などをご紹介します。


☆プラーク(歯垢)が引き起こす歯周病
口の中には常に300〜500種類ほどの細菌が住んでいます。歯磨きが十分でないとそれらの細菌が歯の表面に付きプラーク(歯垢)となります。プラークは細菌を増殖するだけではなく放置すると石灰化して、歯磨きでは落とせない歯石となってしまいます。
歯周病は、このプラーク内の細菌が増殖して歯肉周辺に炎症を起こし、最終的には歯を支える骨も溶かしてしまう病気です。
歯周病は出血や口臭などを引き起こし、歯が抜け落ちてしまうだけではなく全身に影響を及ぼします。


☆歯周病が引き起こす病気

・糖尿病
  歯周病の炎症が血糖をコントロールするホルモン・インスリンの機能を低下し、糖尿病を悪化させます。
・冠動脈心疾患
  歯周病の炎症は動脈硬化を進め、歯周病菌が心臓に運ばれ細菌性心内膜症になる恐れもあるのです。
・肺炎
  食べ物や飲み物が誤って気管支に入った時、一緒に歯周病菌が気管支から肺に侵入し肺炎を引き起こすこともあります。
・早期低体重児出産
  母親が歯周病をわずらっていると、血液中に入った歯周病菌が胎盤を刺激し、胎児の成長を妨げることも判明しているのです。


☆自分に合った歯ブラシの選び方を
虫歯予防や、現在虫歯でお悩みの人は以下のような歯ブラシで、プラーク(歯垢)をしっかりと除去することが大切です。

①毛の硬さは「ふつう」
歯周病などで歯茎がはれたり出血のある人はやわらかめで。

②歯ブラシのヘッドは「小さめ」
手前やサイドは磨きやすいのですが、奥歯は届きにくいのでヘッドが小さい歯ブラシがおすすめです。

③毛先は「まっすぐ」
ギザギザの山型や毛先が細くなっているものがありますが、歯と歯の間に上手にフィットさせることは難しく、磨き残しを作ってしまいます。歯周病の人は歯周ポケット(歯と歯ぐきのすきま)が広くなっていて歯垢がたまりやすい状態なので、毛先は細めのものを選びましょう。

④柄は「まっすぐ」
ストレートな柄でシンプルなもののほうが持ちやすく細かく磨きやすいのでおすすめです。

※虫歯予防、歯周病対策のどちらも素材はナイロン製がおすすめです。動物製のブラシは吸水性が高いので乾燥に時間がかかってしまいます。

じっくりと歯を磨いている時間がない、自分では上手に磨けないという人におすすめなのが電動歯ブラシです。電動歯ブラシの効果を期待するなら、安価なものはおすすめできません。手磨きでは落としきれない細菌を落とし、最もプラーク除去率の高い超音波電動歯ブラシがベストでしょう。


☆歯磨き粉の選び方
歯磨き粉は主成分により「化粧品(ハミガキ類)」と「医薬部外品(薬用ハミガキ類)に分かれます。化粧品の方には歯を磨く基本成分しか入っていませんが、医薬部外品には歯と歯茎の健康を保つ成分がプラスされています。「歯槽膿漏」や「歯周病」は薬用歯磨きでしか防げません。自分の状態にあった歯磨き粉を選びましょう。

虫歯予防…モノフルオノリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム
歯肉炎予防…塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼルコニウム、トリクロサン
歯周病予防…塩化クロルヘキシジン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸二カリウム、ビタミンE、塩化ナトリウム等
プラークの分解…デキストラーゼ
歯石沈着防止…ポリリン酸ナトリウム
知覚過敏抑制…乳酸アルミニウム、硝酸カリウム
たばこのヤニ除去…ポリエチレングルコール


☆歯ブラシの交換時期とは?
歯ブラシの毛先が開いてきたら、交換のサインです。1カ月に1度は交換することを目安にしてください。毛先が開いていなくても、長期間使用していると毛先の弾力が衰えプラーク(歯垢)を除去力が落ちるので、必ず交換するようにしましょう!

参考:http://i-scdc.jp/blog/?p=116 デンタルヘルス通信



☆正しい歯磨きのポイント
最後に歯磨きのポイントです。プラーク(歯垢)乳白色で歯と同じような色をしており、舌で触るとザラザラした感触があります。水に溶けにくく粘着性があるため歯の表面に付着し、うがいでは取り除くことができません。歯磨きの目的は、このプラーク(歯垢)を取り除いてむし歯や歯周病などにならないようにすることです。

•歯と歯の間
•奥歯のかみ合わせ
•歯と歯ぐきの境目
•歯並びがでこぼこしている所
•生えている途中の歯

飲食後は細菌が糖分を使って酸を作り出すため、歯の表面は酸性状態となり、カルシウムやリンなどのミネラルが溶け出してしまいます。元の中性状態に戻るには40分ほどかかりますが、その間はミネラルが溶けやすい状態が続きます。そのため、1日3回「食べたら歯磨き」の習慣をつけ、細菌とプラーク(歯垢)を取り除くことが大切です。ハブラシでのブラッシング後に、デンタルフロスを使うと、除去率が約30%アップします。

特に寝ている間は唾液の分泌が少なくなり、口の中の自浄作用が弱まるので殺菌が繁殖しやすくなります。特に念入りに磨きましょう。繁殖を防ぐためには、デンタルリンスで殺菌することも有効です。

正しいハブラシを選んで、お口の中から元気になりましょう!

参考:http://systema.lion.co.jp/yobo/selfcare/brush.htm ライオンHP