東日本大震災支援活動報告

東日本大震災支援活動報告

3月11日の震災から2ヶ月が経過した5月11日から災害派遣に参加させて頂きました。現場ではその臭い、音、風に触れる事で感じるものがあります。現地を見た時、「ここは戦場か?」と思いました。津波で流された地域には原型を留めた建物はなく、あちこちが焦げた原野となり広がっていました。

ぬいぐるみや鞄、車、そして今まで住んでいた家、それらが津波に流されて集まって山になっていました。しかし、それは瓦礫ではなく人の思い出の詰まった物のかたまりなのです。避難所の方は、思い出をそこに置いて避難されています。色んな背景を持った人達が避難所には居られます。

巡回診療の中で、生後6ヶ月の赤ちゃんを連れたお母さんが風邪で受診されました。今回の支援活動の中では初めて出会った赤ちゃんでした。この子は10年後にこの震災の事を覚えているのでしょうか?その時、石巻の町はどんな町になっているのでしょうか?私達医療チームは今回どれだけの事が出来たのかは解りませんが、石巻の方々の話を聞き、これから再建をして行く地域がある事を忘れないでいる事が大切なのだと思いました。

現地では自分が被災しているにもかかわらず、地域の医療の為、医療従事者が涙をこらえて活動しています。これからも復興支援で出来る事があれば、協力していきたいと思います。