こちらは植物園

関東もようやく梅雨入りした(とみられる)と気象庁が発表しました。
例年よりも2週間以上遅れての梅雨入りです。各地で災害級の豪雨も予想される中、天気予報などで情報をまめに入手しましょう。

先日小石川植物園に行ってきました

あれ?植物園?
後楽園ではなくて?

そうなんです。正式には「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」という長い名称なのですが、通称「小石川植物園」として呼ばれている場所です。
植物学の教育、研究活動を目的とする場所で、いわゆる庭園とは別個のものであるとご理解下さい。

植物園の中で色鮮やかに咲いていた花を1つ。
ジギタリスといい、花がきれいなので西洋では観賞用に栽培されますが、猛毒が全草(特に葉)に含まれています。手で触れる分には問題ありませんが、その手で誤って口など触れないように。
ジギトキシンという強心配糖体の成分によって胃腸障害、嘔吐、不整脈、重症になると心肺停止になる恐れがあります。

薬とは不思議なもので、使いようによっては毒にもなるが、役にも立つ。
ジギタリスの毒も、使い過ぎは死に至るが、うまく使えば薬になります。
心不全の薬として18世紀後半から使われていた経緯があります。ただし最近はジギタリスの成分そのものは使わず、合成で作られるジゴシン(ジゴキシン)を使用します。
このように植物から発見された成分がその後合成などによって治療薬になった例はたくさんあります。また機会がありましたら紹介していきたいと思います。