捨てられるはずだった古本を再生〈本だったノート〉

Pickup Now
今回ご紹介するのは、カバーがかけられた文庫本のように見えるこちらの商品。値段が付けられなかった古本をリサイクルして作られた、その名もズバリ「本だったノート」です。
このプロジェクトを手がけるのは、オンラインを中心に本の買取・販売を行っている株式会社バリューブックス。バリューブックスには、平均1日2万冊の古本が届くものの、半分の1万冊は買い取られずに古紙回収にまわしていました。再生紙として段ボールやペーパータオルなどに生まれ変わることも立派な循環のひとつですが、もっと別の形で価値を生むことができないかという想いから、この商品は考案されました。
「本だったノート」(A6判、並製、128ページ)880円(税込)。通販で届く表紙の色はランダム。店舗でお気に入りの色の1冊を選ぶのもまたいいものです



製紙工場に運ばれた本たちは、パルパーと呼ばれる巨大ミキサーで溶解され、さまざまな工程を経て、一枚一枚表情の違った紙として生まれ変わります。そして、表紙の印刷には、捨てる予定だった廃インクを使用。ローラーに複数のインクを載せて自然にグラデーションを出すという特殊な方法で印刷しています。偶然性にまかせた印刷方法なので、テスト印刷で見本の色に合わせる工程が必要なく、紙もインクも無駄にすることがありません。そうしてでき上がったノートは、本の記憶を残しつつ、姿を変えて手元に帰ってきたんだな…と思えるような特別な1冊となりました。
現在は続編として、回収された漫画からできた「漫画だったノート」1,100円(税込)と、雑誌からできた「雑誌だったノート」1,540円(税込)も発売中。みなさんも1冊、手に取ってみてはいかがでしょうか。
ページをめくっていると、本だった名残の活字を発見。小説だったのか…エッセイだったのか…思いを馳せる時間が流れます