令和2年12月当番医

12月6日:京町内科・金子病院
  13日:えんでん内科・ふくもと整形
  20日:花牟礼病院・ふじいクリニック
  27日:さゆりクリニック・いとう耳鼻咽喉科
  31日:牧野医院・しもむぎ耳鼻科


【コロナ鬱対策】

<4>日課

・洗顔や歯磨き、朝の着替え、在宅での仕事や勉強、家事、入浴など、毎日行ういくつかの日課も、同じ時間に行いましょう。すでに、朝からパジャマのままでダラダラとなし崩し的な生活を送り、調子がすぐれないという方は、私の周囲でも散見します。“自宅待機生活=毎日が日曜日”ではありません!

・毎日、一定時間を屋外で過ごしましょう(3密は避けて)。

・外出できなくても、少なくとも2時間は窓際で過ごし、太陽の光を浴びながら、読書や音楽、瞑想など、こころが落ち着く時間を持ちましょう。

・体内時計の時刻合わせには、朝の光が欠かせません。時刻合わせに望ましいのは、お昼近くよりは、目覚めてから1~2時間以内の早い時間帯です。一方で、既述のように朝日には、特に高齢者の睡眠にはマイナスの影響もありえますから、バランスをとりながら自分に合ったリズムを総合的に判断して見つけていきましょう。
(日光を浴びることで体の中からセロトニンという物質が分泌され、このセロトニンには精神の安定や睡眠や覚醒のリズムに重要な働きがあると考えられています。)

<5>対人交流

・特に一人暮らしの場合、社会的距離を取ることで、人との交流が希薄になりがちですが、スムーズな体内時計の働きには、健全な対人交流も不可欠です。会えない期間は、テレビ電話でも音声通話でも構わないので、毎日、誰かと会話する機会を持ちましょう。LINEのような文章だけのやりとりでも、リアルタイムにメッセージが行き交うものであれば大丈夫です。日課に取り入れ、毎日、同じ時間帯に誰かと交流するようにしましょう。

・家族など同居している人がいる場合、生活リズムは他人に乱されがちです。例えば、家での不要な気遣いは消耗しますし、あまりにもマイペースな同居者に自分の生活が振り回されるのはつらいことです。できれば、率直に話し合いたいものです。

ただ、相手に頼む時には「やってもらわなきゃ、困るよ!」「私のつらさ、わかってんの!?」とネガティブな感情を添えるのではなく、「やってくれたら、助かるなぁ」「手伝ってもらえると嬉しいよ」とポジティブな気持ちをおしりに添えるのがポイントです。言われた時の印象が180度違いますし、断られても互いに傷つかず、またの機会にワンチャンを残せます。

・社会的隔離を一足先に経験した海外からは、ドメスティック・バイオレンス(DV)やコロナ離婚の激増も漏れ聞こえてきます。もしDVがあるならば、我慢せずに専門機関に相談しましょう。

・互いに気持ちを分かちあえる信頼できる人間関係こそ、うつ予防も含めた最強の“こころの抵抗力”のひとつであることは医学的に示されています。「今さら急に、冷え切った家族との関係改善などありえない!かえって苦痛!」という場合には、家族以外の人間関係を充実させるだけでも“困った人との関係性”が少し薄められ、負の影響力を最小化できる次善の策として有効です。

・もともと交流できる人間関係なんてない、という人は、こころのうちを書き出すだけでも、楽になれます。Twitterやブログでスッキリする、あれと似たイメージです。ただ、人目にふれるものは書きすぎが怖い。そんな時には、こころのうちにたまった気持ちを紙やスマホに書く「感情日記」なども心身の健康に医学的効果が示されておりお薦めです。

ただ、書いてかえってつらくなる場合には、自己流で無理はし過ぎないでください。書き方のコツについての解説書もありますので参考にしてもよいでしょう(参考文献参照)。

・生活リズムが破綻する最大の理由は、役割のアンバランスです。夫婦で在宅勤務、子供は休校、そんな中で母親(妻)だけに家事や家族のケアが集中するといった“役割のオーバーシュート”は、よくある不健全な例です。長丁場になるほど母親(妻)のペースは狂わされ、体内時計が正しく機能しなくなってしまいます。この機会に、家族で家事などの役割分担を相談して、みんなが心地よく「Stay Home」できる生活リズムのルールを作りましょう。

“コロナうつ”のさらに深刻な原因として懸念されているのが、いわゆるコロナ不況の到来です。先の見えない持久戦で“大切な自分を守る”には、こころのコンディションづくりはますます不可欠になるでしょう。

その“はじめの一歩”として、“コロナうつ”対策としてのこころのコンディションを整える5つの生活術、ぜひ参考にしてみてください。