適応外処方

12月20日おはようございます。
適応外処方ってご存知でしょうか?
簡単に説明すればお薬にはそれぞれ効能・効果が決められていますが、その適応以外での効果を期待してお薬が処方されることです。

もちろん添付文書上には記載されていないので、初めて扱う時には添付文書錠とは異なる用法容量などもあり戸惑うこともあります。

ですので本やインターネット等をつかい、お薬についてのアンテナを広げ幅広い知識を身につけておかなくてはなりません。


昨日は2件の適応外処方の処方せんを取り扱いました。

処方元は異なりますが、両方とも小児科の処方箋です。

1件目はデキサンVG(リンデロンVGのジェネリック)が1本だけ処方されていました。
使用部位が書かれていなかったためお母さんとお話して確認です。

「今はおさまっているが先週おチンチンを痛がっていた」とのことでした。

この処方は小児科を取り扱っていれば、たまにあることですが包茎の改善目的で処方されることがあるお薬です。
先生から教えてもらったことがあり、改善率もけっこういいとの話です。
お母さんに確認すると、やはり先生からその気があるので使ってみるようにとの指示がでていました。

知っていたら何でもないですが知らなければあせってしまう処方せんかもしれないですね。

他のステロイドにも効果があるかは不明ですが、だいたい処方されるのはリンデロンVGだと思います。


もう1件は完全に知識不足でした・・・・。
サワシリンという抗生剤が添付文書上での量よりも多めに処方され飲み方も通常は3~4回に分けて服用するところを単回での服用になっていました。
中耳炎での高容量処方はよくあることですがお母さんのお話によると「歯科を受診する前に飲むように」とのことでした。

知っている方は「歯科」とのキーワードだけでもハっとされるのでしょうが、この処方は感染性心内膜炎の予防に対しての処方せんでした。

患者さんは今は手術もすまされて元気にされていますが心臓疾患があったお子さんでした。
歯科の治療の時に循環血液中に原因菌が侵入することがあるそうで、心疾患のある方が高リスクとのことです。

初めに処方元に電話すると他の病院から来られている先生だったそうで、昨日は不在でしたが看護士さんが先生からの指示でそうなっているとのことで対応してくれましたが不安もあってメーカーさんに問い合わせたところ適応外処方での使われ方で、そういう話があることを教えていただけました。

順番が逆でした・・・。

先にメーカーさんに確認しておけばすぐに済んだことでしたが、逆にしたことで周りを巻き込んでバタバタしてしまい、かえって時間まで取らせる結果に・・・。
処方内容の問題はクリアされましたが粉薬を嫌がるお子さんで、サワシリンの量がかなり多くお母さんも戸惑っていたので、結局は処方さんを書かれた先生がいつもおられる病院に電話をして状況を説明し半分の量ですむワイドシリンに変更してだすことの了解を得て準備させてもらいました。

改めて知識不足と物事に取り掛かる時には筋道を作ってから取りかかることの大事さを確認させられる1日でした。

ご迷惑おかけした皆様すみませんでした。