山ガールさんへの山の贈り物-南アルプス・北岳から間ノ岳-2

前回にも書きましたが、北岳はアルプス屈指の高山植物の宝庫で、標高3000mの稜線に百花繚乱の花街道が続きます。
特に7月中旬から下旬の最盛期には、山頂周辺に多様なお花畑が点在し、その中でも南東斜面のお花畑は密度濃く咲きます。
ですから北岳に来ると、誰でもが自然と興味をもって高山植物を観察するようになるようです。

その花の名峰北岳へは、JR中央線甲府駅から山梨交通バスで約2時間10分の広河原がスタートです。
1日目は広河原から大樺沢右俣コースを通って北岳肩の小屋までです。標高差はなんと1500mもあるので驚きです。

広河原から登るルートは数多くありますが、この右俣コースは
 ① 危険個所がなく
 ② 北岳の眺望が良好で
 ③ お花畑が豊富
というのが大きな特徴です。
右俣コースは鎖場や急な梯子などはなく、初心者でも安心して登れるルートで絶対のお薦めルートです。

広河原山荘の横から北岳を目指しますが、樹林帯の上りがしばらく続き、右岸に移っても樹林帯の上りが、又左岸に移ると大樺沢二俣がすぐ。正面にかの有名な北岳バットレスがみえてきます。

ダケカンバの林を右に斜上し、そこを抜けると北岳が左手に姿を現し、そのすそ野に広がるカール状のお花畑の中を縫うように登り、小太郎尾根の稜線を目指します。

お花畑を抜けたところで、右上方に進路を変え、再びダケカンバの林の中に入ります。
ダケカンバの林を抜けたところで白根御池小屋からの草スベリルートと合流します。

ここからシナノキンバイが咲くお花畑の中をジグザグに登ると小太郎尾根分岐に着きます。ここからは鳳凰三山と甲斐駒ケ岳がその素晴らしい姿をみせてくれます。

この甲斐駒ケ岳は単独峰ですので、ここだけで簡単に登山が可能な山ですので登ってみてください。全国に駒ケ岳がたくさん有りますが、中央アルプスの千畳敷カールで有名な木曽駒ケ岳と並んで称される秀峰です。

小太郎尾根分岐からは稜線上を北岳肩ノ小屋に進むことになります。一か所に鎖が設置されていますが、ここも簡単に通過出来ます。これを超えると今日の泊まりの北岳肩ノ小屋に到着です。

広河原から大樺沢二俣までおおよそ3時間、大樺沢二俣から北岳肩ノ小屋まで3時間の合計6時間の行程です。
ゆっくりと高山植物の写真を撮りながら登っても7時間あれば十分です。

明日は小屋の前でご来光を仰いでから北岳を目指します。

山ガールの皆さんはこの雄大な南アルプスに一歩足を踏み入れると、北アルプスのような華やかさはありませんが、どっしりとした岩稜と百花繚乱のお花畑の共演に酔い知れ、間違いなく又行きたくなるに違いありません。

写真はハクサンチドリ。
ラン科の植物で、石川県の白山で見つかり、花形が飛ぶ鳥に似ているところから付けられた。