山ガールさんへの山の贈り物-北穂高岳2 2011年8月8~11日
上高地から涸沢を通り北穂高岳までのルートをご紹介しましょう。
アルピニストにとって「涸沢」って、憧れの場所なんです。
テント場としては条件が良いとは決して言えない、がれ場の涸沢にテントを張って、そこから見上げるアルピニスト憧れの山”穂高連峰”。
そこに来た者しか味わうことのできない、カールに展開される岩稜と雪渓の素晴らしい景色!
本当に何度来ても、その度に感動できる素晴らしい場所です。
涸沢に張られた何百というカラフルなテント村の写真や、秋の紅葉には必ずといって良いほど”涸沢”は出てきます。
私も”涸沢の三段紅葉”って一度見てみたいと思い、4,5年前に行ったのが始まりで今回で4回目の涸沢です。
みなさんもきっと涸沢にはハマると思いますよ。
上高地までは”さわやか信州号”で直接か、バスで松本まで入って新島々経由で上高地まで来るかですが、秋まで運行している”さわやか信州号”が結構便利です。
夜行バスで朝の6時に上高地に着きますので、その日の内に横尾か涸沢まで入ることが可能です。
上高地バスセンターに6時に着き朝食を摂り、サンダルから登山靴に履き替え、入山届を提出し6時30分に河童橋を通り出発です。
遊歩道のような道を1時間歩くと明神館に着きます。
ここ明神は、明神岳の山自身がご神体で、神社のある明神池周辺がパワースポットですので立ち寄ると良いご利益があるかも!
ただし「本来のパワーが最高なのは午前7時まで」って書いてありますが・・。
明神からもまだ遊歩道の様な道が続き、1時間ほどで徳沢園です。
途中の河原からの景色が良く、約20分ほど梓川沿いに行くと明神岳が見え、その後10分で明神と徳沢園の中間点の古池の湿地帯があります。
井上靖の小説「氷壁」の舞台となった徳沢は、かつて牛や馬を放った穏やかな草原で、ここからは前穂高岳東壁と奥又白が、梓河畔からは蝶ヶ岳も望めます。
私も氷壁の主人公になったつもりでアイスコーヒーを味わってしまいました。
徳沢より15分ほどで新村橋、涸沢からパノラマコースで下って来るとここに出ます。新村橋より、前穂を見ながら1時間で横尾到着です。穂高方面、槍方面、蝶ヶ岳方面の十字路になっています。
改装された横尾山荘にはお風呂があるので上高地から3時間歩いてきてゆっくりお風呂に入り、翌日の穂高登山に備えて頂くも良いですし、穂高から下りてきてここでゆっくりひと風呂浴びて一泊という贅沢さを味わえます。
横尾ではこれからの登りに備えて軽い行動食を摂り、10時にさあ涸沢へ。横尾山荘の目の前の梓川のつり橋を渡り、横尾谷に沿って平坦な道をすすむと、ゆるい登りの樹林帯に入ってゆく。
左側にはロッククライミングをする人にとってメッカの屏風岩がそそり立ちその景観は圧巻です。
しばらく登り11時に本谷橋に到着。吊り橋を渡りこれからの2時間のつらい登りに備え一服です。
ここからはハクサンイチゲ、アオノツガザクラ、コイワカガミ
などの高山植物が涸沢まで目を楽しませてくれます。
樹林帯の中を高度を上げながらしばらく進み、ガレ場を3回ほど通過すると傾斜もゆるくなると後もう直ぐの感じです。
視界が広がり涸沢谷の向こうに穂高連峰が顔を出します。
涸沢ヒュッテの吹き流しが見えたら今日の泊まりの涸沢小屋http://www.karasawagoya.com/
はもう直ぐです。涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐点を右手にとり、5分ほど登ると涸沢のテント場に出ます。左手には涸沢ヒュッテ、正面には前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳などの涸沢カールの雄大なパノラマを見せてくれます。
13時ちょうどに右手の涸沢小屋にやっとの思いで辿り着く。今日は横尾を出てから涸沢に着くまで全くペースに乗らず、ヘロヘロ、ぼろぼろになって小屋に到着。
宿泊の手続きを済ませ、早速展望テラスに出て、生ビールと枝豆のセット(1000円でした)で一人で乾杯です。
ビールを飲み、前穂高を眺めながら、明日の日程を考える。
ザイテングラードを通って奥穂高岳へ行くか、前回、途中の南稜テラスまで登った北穂高岳山頂まで登るか?
腰痛の具合をみて、明朝決めることに!
あすは天気が良いみたいなので、モルゲンロートの感動に出会えるかな・・・。
写真は涸沢小屋からの朝焼けの染まる前穂高、奥穂高岳、涸沢カール(2011.8.10 午前5:09)
北穂高岳とか、奥穂高岳の山頂に立つに越した事は無いのですが、自信のない方は涸沢に来るだけでもこんなパノラマに出会えますよ。