山ガールさんへの山の贈り物-3000m峰をめざそう⑩剱岳別山尾根ルート2012.08.20-23
山ガールのみなさんこんばんわ。
大阪では昨日、今日と夜になるとぐっと冷え込みますね。
北アルプスなどでは、まず草紅葉が進んできて、そして9月末から10月上旬ぐらいにダケカンバの黄色やナナカマドの赤で染まってきます。
今年も涸沢や槍沢は最高に綺麗でしょうね。ダケカンバやブナの太陽に照らされ透けるような黄色も綺麗ですが、なんと言ってもナナカマドの燃えるような赤は荒々しい岩肌に映えますね。
今週末、台風が2つも来ていますので少し心配ですね。
安全に、今週末も楽しんで来てください。
さて、テーマの剱岳登山別山尾根ルートに話を戻しましょう
今回はいよいよ剣山荘から剱岳往復です。
この剣山荘から剱岳のコースは、北アルプスでも難易度が上級にランクされている区間です。岩塊が多く、難所が多く点在しアップ・ダウンを繰り返すコースです。
早い人は午前3時すぎには出発です。
私も早く出発と思いながら、結局6時過ぎでした。
剣山荘から見える剣沢雪渓は、日本三大雪渓の1つで、真砂沢ロッジまで数キロに渡って続いています。
さあいよいよ、剣岳への登りの始まりです。剣山荘の裏で登山道は左右に分かれ、左は黒百合のコル・剣御前小屋方面、右が剣岳への登山道です。
剣山荘を下に見ながら、前剱までは一気に標高差を稼ぎ、最初のピークの一服剣へどんどん高度を上げていきます。
振り返ると、剣山荘、剣御前がどんどん下になっていきます。
歩き始めて、丁度休みたくなる頃に、最初のピーク一服剣に到着です。ここまでは、雪渓のトラバースと鎖場が一箇所ですから、まだまだ序の口です。
一服剣からは、次のピーク前剣が真正面に迫ります。剣御前から見ると一服剣も前剣もあまり判りませんが、この前剣も険しい姿を見せています。
ここからはいよいよ剣岳への核心部になり、いったん武蔵のコルに下り、そして前剣への厳しい登りとなります。
一服剱から前剱までの間は鎖が整備されているが、斜面が大変急になり、浮石も多く、ガレ場が多いため、滑り易いので要注意です。
出来るだけ先行する登山者との間をとって行きたい場所ですね。
しばらく登ると目の前に、今にも崩れそうな大きな岩「前剣大岩」が出現します。
前剣大岩の岩場を越えて稜線上に出ると、剣御前の向こうに室堂、天狗平が見えます。さらに振り返ると、八ツ峰の岩峰群の向こうに白馬三山も見えました。
案内本などでは、前剣を越えた後の岩稜群を越え、カニのタテバイ近辺が最も危険でスリリングな場所として案内されていますが、実際に落石や滑落で気を付けないといけないのは前剣の大岩付近です。
3番鎖を慎重に通過し しばらく行くと4番鎖です。ここまで来ると前剱はもうすぐそこ。
前剣に立つと、眼前に剣岳の主峰がそびえ立ち、右には八ツ峰の尾根、左には文蔵尾根が切り立った断崖を見せてくれます
ここから先の、平蔵の頭から平蔵のコル、カニのタテバイへと続く登山ルートはしっかり三点支持の基本通りに進むことが大切です。
前剣から見る7番鎖平蔵の頭周辺は、それほどのコースに見えませんが、9番鎖(カニのたてばい)までは、岩稜地帯のアップ・ダウンが激しく、上り・下りコースが分かれている区間ですは鎖場の連続で、そのため登山・下山コースが別々になっています。
この近辺では、ほとんど垂直に近い壁を登降する部分が多く、一人づつしか通過できないところになっています。
5番鎖を通過すると正面に剱岳が現れますので、素晴らしい剱岳を眺めた後は平蔵谷側に20m下る6番鎖です。その後は気持良いなだらかな稜線歩きが続きます。
上を眺めると、これから登る平蔵の頭が見え、7番鎖の急な岩場を約10m登り、次いで高度差の有る鎖を約20m降ります。
小さな峰のトラバース終盤にとても短い8番鎖が有りますが、
平蔵のコルに着いて、上を見るとお待ちかねの9番鎖カニのタテバイです。
最初の登り始めで、どこに足を置こうか考えますが、岩には鉄筋のが埋め込んであるので、そこを足掛かりにして登り始めます。
急な岩場を右から上、また右方向と回り込み、岩の割れ目に入ると少し一息つけます。
振り返って見ると、平蔵の頭の本当に険しく切り立った岩肌が眺められ、まるで針の山ですね。さらにカニのタテバイ上部を左方向に回りこんでいくと、下山ルートに出合います。
下山ルートのカニのヨコバイでは良く渋滞がおきるそうです。ここから山頂に向けては、岩のゴロゴロした斜面をたどるが、足場もしっかりしてきます。そうしていよいよ剣岳の山頂に到着です。
山頂は思ったよりも広く、山頂からの景色はこれまた360度の見晴です。東方向にはチンネ・八ツ峰の岩峰群、北には三ノ窓、小窓尾根が延び、峨々とした様相を見せています。
天候は最高で、遠く南アルプスと富士山、後立山連峰の向こうには西には白山、南は立山の向こうに槍の穂先も見せてくれます。
この剣岳を登ったという征服感は最高のものです。
写真は前剣から平蔵のコルの間のくさり場。
左下の鋼板製の橋を渡りくさり場に取りついて進む。
クサリ場には先行する二人の登山者が写っている。
2012年8月21日撮影
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