新型水虫が流行っているようです

新型水虫が流行っているようです。

新型水虫は今までの水虫のように足の裏や爪にできるのではなく、頭部、顔、首筋など今まで水虫とは無縁のところにできま。
その原因はトンズランス菌と呼ばれる白癬菌の一種が原因。特集「新型水虫:トンズランス菌」では新型水虫の症状と対策を紹介しています。

新型水虫の正体はトリコフィトン・トンズランス菌水虫であれば足の裏、爪に発疹などができるのが普通ですが、新型水虫の特徴は発疹が頭部、顔、首、体部などいままで水虫になりにくい部位でもおきるのが特徴です。

水虫はカビの一種である白癬菌が皮膚に寄生し、ケラチンというたんぱく質を食べて生きています。
新型水虫の原因もこの白癬菌の一種であるトリコフィトン・トンズランス菌によるもので、感染力が非常に強いのが特徴です。

この新型水虫の原因であるトリコフィトン・トンズランス菌は元は中南米に生息していたそうですが、1960年台に中南米からアメリカに持ち込まれたと言われいます。

トリコフィトン・トンズランス菌は感染力が強いため、柔道、レスリングなど体を密着させ、擦過傷ができやすい競技の選手間で感染が広がりやすく、新型水虫は柔道、レスリングなどの国際試合を通じてヨーロッパに広がったといわれています。

2000年以降になると日本にも新型水虫が広がり始め、現在では学生の部活動などを通じて新型水虫の感染が広がっています。
また家族間での感染例も多くなってきています。


新型水虫の症状新型水虫(トンズランス菌)に感染すると、まず発疹ができます。
しかしかゆみがさほど強くないために放置されてしまうことが非常に多く、本人も気がつかないうちに、トンズランス菌の保菌者となり他の人に新型水虫をうつしていることが多いようです。

柔道、レスリングなどの選手の場合、新型水虫は競技中に肌が密着しこすれる部分、顔、首、腕、上半身などに直径数センチの赤い発疹としてあらわれます。
また新型水虫は頭皮にできることもありこの場合、はじめは小さなポツポツ程度のため見逃されることが多く、そのままにしておくとフケの量が増え、重症化すると化膿し、毛か抜けることもあります。

新型水虫(トンズランス菌)は病気そのものは怖いものではありませんが、自然に治癒することは難しく、放置すると治癒にも時間がかかります。
また新型水虫(トンズランス菌)は感染力が強いため、完全に治癒しないと、再発する可能性が高く、また他の人への感染源になってしまいます。

新型水虫に関する情報については、柔道などの選手、指導者には認知されはじめましたが、まだまだ一般の家庭の方の認知は低いようです。
家族に柔道などの競技者がいる場合については、日ごろからのチェックが新型水虫(トンズランス菌)への感染防止には非常に重要です。

新型水虫の治療と予防新型水虫は赤い発疹が接触部位にできます。今までになかった発疹が顔、首、腕などにできていたり、フケが増えたなどの症状が見られる場合、新型水虫(トンズランス菌)への感染を疑われますので皮膚科で検診をするべきです。

もし柔道などの競技者や、競技者の家族である場合は検診時に医師にその旨を伝えるのが良いでしょう。

皮膚科で行う検診は通常の水虫の検診と同じで、皮膚を少し削って顕微鏡による確認、あるいは培養検査でトンズランス菌がいるか確認をします。
ここでトンズランス菌が確認されると、トンズランス菌の量を確認し、軽症であれば抗真菌薬を塗り治療します。軽症の場合およそ一ヶ月で治癒します。

トンズランス菌の量が多い、治りにくい場合は内服薬(抗真菌薬)を服用、あるいは塗り薬と併用することになります。

頭部の場合もほぼ同様で、軽症であれば抗真菌薬の入ったシャンプーを数ヶ月使うことで治癒まで様子を見ますが、直りにくい場合は内服薬を使用、あるいは併用することになります。

最後に新型水虫(トンズランス菌)は接触する機会の多い競技者間で感染する例が非常に多い病気です。そこで新型水虫の予防のポイントは、家族に柔道などの競技者がいる場合次のようなことになります。(ほとんどが普通の水虫の防止法と同じです。)

感染を防止するため、練習や試合後にはできるだけ早く、シャワーで頭やからだを洗い流す、柔道着、トレーニングウエア、使ったタオルは、こまめに洗濯する 、脱衣所、感染者の部屋はまめに掃除をする、タオルなどの共用を行わない
これらのことに注意して、新型水虫(トンズランス菌)の感染を予防しましょう。