熟成にんにく抽出液による心血管疾患リスクの軽減効果が判明
湧永製薬株式会社が参加する「2014国際にんにくシンポジウム(2014 International Garlic Symposium)」が、3月5日から6日までアメリカ・カリフォルニア州で開催され、熟成にんにく抽出液(※)が心血管疾患リスクを軽減する役割を果たすことを示す複数の研究結果が発表されました。
UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のブドフ医学博士からは、心血管疾患の一因となる動脈硬化症の抑制効果が示され、オーストラリア総合医療研究所のリード博士からは、既存の薬剤が効きにくい高血圧患者に対し、降圧剤と熟成にんにく抽出液を一緒に摂取させることで血圧が正常域へ低下するという発表がなされました。
また、リバプール・ジョン・ムアーズ大学のラーマン博士からは、心血管疾患の進行した患者において、血栓症の発症リスクを低減させる可能性が発表されました。
※ 熟成にんにく抽出液とは、生にんにくを長期抽出・熟成したエキス(液体)です。生にんにくを熟成させることにより、その刺激性や臭いが低減されるとともに、生にんにくにはほとんど含まれないS-アリルシステインなどの有用成分が含まれます。
■ 動脈硬化症に対する熟成にんにく抽出液の抑制効果が判明
ブドフ博士からは、熟成にんにく抽出液が、心臓病発症リスクの高い患者(高脂血症治療薬摂取者)の冠動脈石灰化の進行の抑制が認められたという発表のほか、血管内皮機能の改善、LDLコレステロールの低下、その他動脈硬化との関連性が指摘されているC-反応性タンパク、ホモシステイン、HDLコレステロールの値についても大幅に改善することが示され、心筋梗塞や脳梗塞など心血管疾患の原因となる動脈硬化症の進行を遅らせることが示されました。これにより、心血管疾患に対する予防医療の一環としての熟成にんにく抽出液の活用が期待されます。
<マシュー・ブドフ(Matthew Budoff)医学博士>
UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)医学部教授、ハーバーUCLAメディカルセンター部長
■ 熟成にんにく抽出液が高血圧治療で使用される降圧剤を補完
リード博士からは、既存の降圧剤が効きにくい高血圧患者に対し、熟成にんにく抽出液を12週間摂取した群と摂取しない群を比較する臨床試験結果が発表されました。摂取しない群では、降圧剤を使用しているにも関わらず最高血圧の平均が138mmHgであったのに対し、熟成にんにく抽出液を摂取した群は126mmHgと有意性が確認されました。今後、高血圧治療での熟成にんにく抽出液の活用により、降圧剤の効果を補完することが期待されています。
<カレン・リード(Karin Ried)博士>
オーストラリア総合医療研究所(National Institute of Integrative Medicine)部長
■ 熟成にんにく抽出液が血栓症の発症を低減
ラーマン博士の発表では、ヒト血小板の凝集(血栓の原因となる)状態を実験で発現させ、そこに熟成にんにく抽出液を加えることで、血小板凝集が起こりにくくなることが証明されました。
これにより、熟成にんにく抽出液が、心血管疾患の進行した患者に対して血小板の凝集による血栓症の発症リスクを低減させる可能性が明らかになりました。
<カリド・ラーマン(Khalid Rahman)博士>
リバプール・ジョン・ムアーズ大学(Liverpool John Moores University)生理化学教授
http://www.wakunaga.co.jp/news/archives/2014031000.html