国立感染研まとめ RSウイルス感染症が過去10年で最多 流行は南・西日本から東日本へ推移
国立感染症研究所は、10月7日に公表した感染症週報第38週(9月19日~9月25日報告分)で、乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症の報告数が過去10年で最多となったと発表し、「注目すべき感染症」として取り上げて注意喚起しました。
咳やくしゃみなどによる飛沫感染する。
初感染の場合、発熱、鼻汁などの上気道症状が出現し、うち約20~30%で気管支炎や肺炎などの下気道症状が現れる。乳幼児の肺炎の約50%、細気管支炎の約50~90%がRSウイルス感染症によるとされます。
感染研によると、RSウイルス感染症は、例年、季節性インフルエンザに先行して、夏頃より始まり年末をピークに春まで流行が続くことが多いです。
2016年も8月中旬から患者報告数が増加し始め、9月に入って報告数が急増し、第38週では4204例と過去10年間で最も多い報告数となりました。
0歳が41%と最も多く、1歳が36%、3歳以下が全体の96%を占める。
地域別では、報告数上位3位の都道府県は、第29週から第33週までは福岡県、大阪府、東京都であったが、第34、35週は東京都、大阪府、北海道、第36週は東京都、神奈川県、大阪府(神奈川県と同数)、第37、38週は東京都、神奈川県、新潟県と、例年同様、南・西日本から東日本へ流行が推移しています。
感染経路は主に、患者の咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、ウイルスの付着した手指や物品等を介した接触感染。感染研は「飛沫感染対策としてのマスク着用、接触感染対策としての手洗いや手指衛生といった基本的な対策を徹底することが求められる」と、注意を呼び掛けています。