ケガには水道水が常識?

学校で擦り傷や切り傷などのケガをしてしまったら…。
保健室へ行って傷口を消毒液で消毒し、絆創膏を貼ってもらう。
というのは、子どものころに行っていた慣習のひとつ。
しかし、昨今保健室では、消毒液がなくなりつつあり、代わりに水道水で応急処置をしている学校が増えているという。

消毒液で患部を消毒すると、傷の治りを良くする細胞まで破壊してしまい、かえって傷の回復を遅くする。
そのため、水道水を用いて傷表面に付着した汚れ雑菌などを洗い流すのみにする。
この処置法は外科医の世界では主流となっており、教育現場にも浸透しつつあるというわけ。
だが、医師のなかでも賛否両論あり、「今まで消毒液を使ってきて治ってきたんだから消毒をやめる必要はない」と唱える医師もいるそう。

ある小学校の保健室では、約3年前から原則として消毒液を使わなくなっており、代わりに「魔法の水」で消毒している。
実は、魔法の水といっても実態はただの水道水。
低学年の子に、魔法の水で消毒して洗い流してあげると安心します。
しかし、「子どもがケガをしたのに、学校では消毒もしてくれないのか」と、苦情を寄せる親もいるという。
親世代には、消毒に対する“新常識”の理解が、まだまだ。

さて、消毒液を使わないほうがいいことはわかったが、水道水ではどのように手当すればいいのだろうか?
水道水で傷の手当をする場合。

(1)まずは傷口を水道水できれいに洗う
(2)ハイドロコロイド材などの創傷被覆材をかぶせて傷口を乾かさ   ないようにする
(3)傷の修復状態に合わせて適時、被覆材を取り替えて傷を洗う

という「浸潤療法」が良いそう。
ちなみに家庭向けの絆創膏として、ハイドロコロイド材を使用しているものは、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の『キズパワーパッド』などが該当します。