患者急増! 子どもの「手足口病」 大人にうつったらどうする?
手足に水疱、熱が出ることも
Q.手足口病にかかる原因と主な症状は。
「手足口病は『コクサッキーウイルス』『エンテロウイルス』といったウイルスに感染することから発症し、手や足、口の中に水疱ができ、熱が出ることもあります。
5歳以下の子どもが感染するケースが多いです。
1週間以内で治ることがほとんどですが、まれに髄膜炎や脳炎になることがあり、注意が必要です。
特効薬はなく、例えば、熱に対して解熱剤を使うなど対症療法となります」
Q.子どもから大人に感染する確率は高いのでしょうか。
「子どもから親に感染することが多いです。感染経路は、せきやくしゃみで飛散した唾液で感染する飛沫(ひまつ)感染、唾液や鼻水が付着した手で親を触って感染する接触感染があります。
また、便の中にもウイルスが含まれているので、おむつなどの処理をする場合、感染のリスクがあります」
Q.大人が感染した場合、子どもに比べ重症化しやすいという話を聞きますが、本当でしょうか。
「大人が感染した場合、症状は同じですが、重症化しやすい傾向にあります。
例えば、高熱が続いたり、発疹の程度や痛みが強かったり、のどの痛みが強かったりします」
Q.もし大人が感染した場合、家族または家族以外の他の大人に感染する可能性はあるのでしょうか。感染したら、治るまでは出勤しない方がよいのですか。
「飛沫感染、接触感染する病気なので、家族や他の大人にうつす可能性はあります。
『患者本人がマスクをする』、手足の水疱の中にウイルスがいるため、『家族とタオルを共用しない』『他の人が触りそうなものをなるべく触らない』などの注意が必要です。
症状が治まっても約1か月間はウイルスを体外に排出しますが、その間、ずっと仕事を休むことは現実的ではありません。
出勤する際は『マスクをする』、手に出た発疹から感染することがあるので『共用のパソコンなどは使用を控える』『手袋やばんそうこうをする』『周りの人にも手洗いを徹底してもらう』などの注意をしてください」
Q.感染を防ぐためには。
「基本的なことですが、手洗いをしっかり行うことです。感染者が家族にいるのであれば、排せつ物の処理を適切にすることです」
Q.手足口病は一度感染すると、その後はかかりにくくなるのでしょうか。
「子どもの頃に感染したことがあると、大人になってもかかりにくいのは事実ですが、手足口病の原因となるウイルスは複数あるため、大人になっても感染しますし、感染を繰り返す可能性もあります」
ポイント!
トイレの後の手洗い。また手を洗って拭いたタオルがウイルスに汚染しているといけないので、まめに変える事が必要です。
流行の兆しを見せる、手足口病。感染予防はタオルがポイントです。