インフル新薬ゾフルーザ「12歳未満の投与は慎重に」
昨シーズンは、たった1度飲むだけで治療ができるインフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」が大きな話題になりまた。
ところが、服用した患者からこの薬が効きにくい「耐性ウイルス」が出現することから、日本感染症学会が「12歳未満の子どもの使用は慎重に検討すべき」という提言を出しました。
――「耐性ウイルス」とは、どういうもの?
自然界のインフルエンザウイルスの中には、もともとゾフルーザが効きにくい性質(アミノ酸変異)をもったウイルス(耐性ウイルス)が微量ながら存在します。
ゾフルーザを使用すると、ゾフルーザがよく効くタイプのウイルスが急速に減少し、替わりに薬の効きにくいウイルスが残ると考えられています。
このウイルスが増えると、インフルエンザの症状を呈する期間が延長する可能性があります。
――なぜ「耐性ウイルス」は子どもの方が出やすいの?
小児では、インフルエンザに対する基礎的な免疫の力が大人より弱いために、耐性ウイルスの増殖を抑えきれず、出現頻度が高くなると考えられています。
――ゾフルーザは、他のインフル薬より早く治るの?
ゾフルーザの特徴は、従来の薬剤よりウイルスの量を早く減少させることですが、治験では、発熱や症状の持続期間はタミフルと同じくらいであったと報告されています。
いままで使用されてきた他の抗インフルエンザ薬では、タミフルやラピアクタという薬剤で1%程度であり、リレンザやイナビルという薬剤では、耐性は認められていません。