インフルエンザの検査の話

東京都は、11月30日に都内でインフルエンザの流行が始まったと発表しました。
20~26日に都内417カ所の医療機関から報告された患者数が平均1・86人となり、流行開始の目安としている1・00人を超えたようです。都内での流行開始は、昨季より1週遅いみたいですね。

風邪で薬局にいらっしゃる患者さんの中にも「インフルエンザかと思って検査をしたけど違った」という方が少なくありません。
医療機関で行うインフルエンザの検査ですが、実は検査をするタイミングがとても大事になります。
多くの医療機関で使っている「迅速診断キット」は、ウイルスの数量によって結果を出すキットなので、インフルエンザの感染初期だと陽性反応にならない場合があるんです。
ですが、インフルエンザウイルスは驚異的なスピードで増殖するので、1つのウイルスに感染すると、8時間後には100個程に増殖し、1日経つ頃には約百万個にまで増殖すると言われています。
ではどのタイミングが良いのかというと、インフルエンザ発症後12~24時間以上経過してからが頃合いと言われています。しかし、抗インフルエンザ薬が有効なのは、インフルエンザの症状が出てから48時間以内なので、発症後2日以上経ってから検査しても、抗インフルエンザ薬の効果が低下してしまう事になってしまいます。
検査をする前に「熱が高くなってから何時間ぐらい経っていますか」などと聞かれることがありませんか?このような質問は、このタイミングを見計らっている事が多いです。
体調が悪い時になかなか難しい話ではありますが、「インフルエンザかも」と思ったら、まずは慌てずに症状を見極め、ベストなタイミングを見計らって受診しましょう。

先ずは「うがい」と「手洗い」で予防をしっかりと!