冷えと漢方
関東地方もようやく梅雨明けしたと思ったら、一気に猛暑モードで、オフィスや店舗などの屋内はエアコン全開なところが多いと思います。こうなってくると冷房による「冷え症」が気になる方も少なくないと思います。
具体的な症状としては、体や手足の冷え・体のだるさ・疲れやすさ・食欲不振・頭痛・肩こり・腰痛・不眠・便秘・下痢などの症状がみられます。多くは自律神経の乱れが原因と考えられていますが、これに対する治療薬となると漢方薬の出番です。
冷え症の原因を漢方的に考えると「気・血・水(き・けつ・すい)」の異常によって起こると考えられます。
気が不足している状態を「気虚」、血が足りない状態を「血虚」、血がとどこおっている状態を「瘀血(おけつ)」、水分がたまっている状態を「水毒」などと言います。
患者さんの症状や体質(虚実)などによって使われる漢方薬はいろいろとあります。代表的な漢方薬としては・・・
エネルギー不足によって、熱が産まれにくくなっていて、疲れやすく、カゼを引きやすいような気虚には「十全大補湯」など
血液の流れや働きに障害が起こり、熱が運ばれにくくなっているような血虚・お血には「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」など
水分量が多かったり、偏ったりしているため、頭痛・頭重感・むくみ・耳鳴り・などを伴うような水毒には「呉茱萸湯」「苓姜朮甘湯」など
最近増えていると言われているのが、ストレスによる冷え症です。ストレスを改善するための漢方薬もいろいろとありますが、こちらも症状や体質に合わせて「半夏厚朴湯」「抑肝散」「柴胡加竜骨牡蛎湯」などが服用されます。
漢方薬もお薬です。正しく使わないと副作用がありますので、服用する時には医師・薬剤師に相談してください。