ご存知ですか?ロコモティブシンドローム

ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは運動器症候群の略です。
運動器官の障害によって日常生活で人や道具の助けが必要な状態、またはその一歩手前の状態をいいます。日本整形外科学会が2007年に新たに提唱しました。いつまでも自分の足で歩き続けていくために、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくことが今、必要なのです。では健康寿命とは何なのでしょうか。健康寿命とは、健康で日常的に「介護を必要としない」で、「自立した生活が出来る」生存期間のことです。平均寿命より短く日本人男性で72.3歳、女性で77.7歳、全体で75.0歳です。この「健康寿命・介護予防」 を阻害する3大因子は、メタボリックシンドロームと認知症、そしてロコモティブシンドロームなのです。

ロコモの原因は、「加齢による運動器機能不全」と「運動器自体の疾患」です。
「加齢による運動器機能不全」とは、筋力・持久力・運動速度・バランス能力が低下することで、つまづきやすくなったり、細かい作業がむずかしくなったりすることを言います。筋肉量、筋力は加齢とともに減少し、特に下半身の筋力低下は速く、上半身の3倍といわれています。
「運動器自体の疾患」には、変形性関節症や骨粗鬆症、脊柱管狭窄症や関節リウマチなどがあります。加齢による体力の低下とは異なり、こちらの原因は若年者でも発症する可能性があるので非常に注意が必要です。
 
メタボ対策と同様に、ロコモの対策もやはり食事療法と運動療法です。私たちが運動器の機能を保ち健康に生きていくために欠かせない栄養素は、炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルのいわゆる「5大栄養素」。これらの栄養素を毎日3回の食事から補給することが大切です。運動療法には、下半身の筋力を鍛えると同時に、バランス能力を高める運動(ロコトレ)が有効です。中でも簡単にできるのが「スクワット」。ロコモ予防だけでなく、体の中で最も大きな筋肉が鍛えられるので、基礎代謝も増えてやせやすくなるというメリットもあります。ただし、足腰に痛みや疾患のある方は医師に相談の上、行って下さい。  (たていし調剤薬局情報誌「えがお」より)