夏型肺炎(夏型過敏性肺炎)に気をつけましょう

毎年、夏になるとよく風邪をひく、咳がいつまでも出る…そんな症状はありませんか?もしそんな症状があったら夏型肺炎かも知れません。

肺炎といえば、冬に多いというイメージがありますが、最近増えているのが夏型肺炎です。主な症状は咳と発熱、それにだるさ。風邪とよく似た症状なので、大した病気とは思わず放置しがちです。病院でも風邪と診断されることが多く、抗生物質等で一時的に症状が改善されるので、治ったように思われます。ところが翌年の夏近くになると、また咳が出始めるのです。こうしたパターンを数年繰り返すうち、慢性化して肺の機能が次第に弱り、ちょっとしたことで息切れを起こす様になります。さらに悪化すると肺が委縮し、ときには呼吸不全から危険な状態にもなりかねません。
 
原因の多くは室内のカビの一種「トリコスポロン」で胞子を吸い込むたびに、咳などの症状が繰り返し起こるのです。自宅のカビが原因なので、旅行等で自宅を離れると症状が治まってしまう特徴があります。トリコスポロンというカビは、温度が20℃以上、湿度が60%以上になると活動をはじめ、高温多湿になるほど繁殖し、胞子をたくさん飛ばします。そのため6月から9月位にかけてが、特に注意を必要とする時期です。

初めて発症した人は、夏の終わり頃に咳や熱(38℃前後)が出やすい傾向にあります。しかしこの段階ではレントゲンでは影が出にくく見過ごされることも少なくありません。慢性化すると熱は微熱程度で咳だけが残るケースが多くなり、喘息などと間違えることもあります。肺の機能が弱ると、抗原となるカビがなくても咳が出やすくなってきます。
したがって、夏になると毎年風邪をひく、咳が出るという人は、呼吸器科などの専門医に、一度きちんと調べてもらった方が良いでしょう。たばこを喫う人は悪化が早い傾向にあるので、禁煙することが大切です。