ヒートショックにご用心
冬の時期、暖房で暖かい居間などと暖房のない脱衣所や浴室との温度差が10℃以上になることはまれではありません。このような温度環境下で入浴する場合、暖かい居間から寒い脱衣所や浴室への移動、そして熱い湯船への移動という小さな動きのなかでの急激な温度変化が短時間のうちに起こり、これに伴って、血圧の急激な上昇や下降が引き起こされます。これを、「ヒートショック」といいます。
「ヒートショック」は体に大きな負担をかけるため、冬の入浴中に起こる突然死の大きな要因となります。入浴時の温度差が大きくなりがちな12月、1月は、1年のうちで入浴中の突然死が最も増えるので特に注意が必要です。
≪ヒートショックによる事故を未然に防ぐには?≫
1 .脱衣所に暖房器具を置くなどして、入浴前に脱衣所を暖かくしておく
2 .服を脱ぐ前に浴室の床や壁に温かいシャワーをまくなどして、浴室を暖めておく
3 .湯船に入る前に、手や足といった末端の部分からかけ湯をして、徐々に体を温めていく
4 .いきなり肩まで湯船に沈めずに、足からゆっくりと入り、徐々に肩まで沈めていく
5 .入浴時間は、ほんのり汗ばむ程度にする
6 .湯船から出る際は、急に立ち上がらずにゆっくりと立ち上がり、湯船から出る
7 .飲酒後の入浴は避ける
8 .入浴の前後にはコップ1杯程度の水分を補給する
お年寄りや高血圧・糖尿病などの病気をもっている人にとって冬の入浴は常に危険と隣り合わせであることを忘れてはなりません。このようなご家族と同居している人は、ご家族の入浴中に、「お湯加減はどう~」「大丈夫ですか~」などの定期的な声かけをぜひ行ってください。