“子供と薬”通信(2)
こどもに粉薬を飲ませる時にどういうふうに飲ませていますか?ある薬局では、女の子で3歳半以上、男の子で4歳以上の場合、「おとな飲み」をポスター(下図、日経DIサイトより転載1))で紹介して飲ませているそうです(女の子の年齢が低い所が面白いですね)。参考にしてみて下さい。ただ、当然ながら個人差がありますし、薬が苦かったりすると、必ずしも常に上手くいくとは限らないでしょうから無理強いは避けましょう。
さて、「おとな飲み」が難しい場合の飲ませ方ですが、広く知られている方法として、団子を作る方法がしばしば紹介されます。ペースト状にすることで、直接舌に触れることが少なくなり、苦味を感じにくくて済むからです。ただ、この団子も慣れないとついつい水を入れすぎてビチョビチョになってしまいます(私も、子供の薬で失敗した経験があります)。薬によって、団子になりやすいもの、なりにくいものもあります。加える水の量についての説明でも、「数滴」とか、「ごく少量」とかの説明では、誤解を招きやすく失敗に繋がりやすく、「濡れた指で練る」という方法が案外いいかもしれません。くれぐれも水は少なめで練ることが大切です。上手くペースト状にできたら、上あごかほほの内側に塗ってあげてください。
ただ、苦い薬はこれでも上手くいかないと思うので、私自身は、ほとんど練乳を使っていました。薬と見た目で同じくらいの量の練乳と混ぜて、スプーンですくって飲ませる方法です。我が家には、普通の練乳とチョコ味の物を常に冷蔵庫に置いていました。「薬を飲もうか?」と言わずに、「チョコと普通の(ミルク)とどっちがいい?」と尋ね、その時点で、「薬を飲む、飲まない」という選択枝から、「薬は飲むことが前提での、チョコかミルクかの選択」へと決定事項をすり替えてしまいます。その効果かどうかは分かりませんが、これまで「飲まない」とは言いませんでした。チョコ味は特に苦味をごまかすのに良いのではと思っています。また、きちんと飲めた時には、褒めてあげることも大切なポイントです。
1)日経DIオンライン 松本康弘の「極める!小児の服薬指導」より