薬膳100の話:ローマ皇帝と「鉛」

 ☆1~2世紀のローマ帝国。
 優秀でありながら奇行にはしり、身を滅ぼしてしまう皇帝が何人も出ました。

(1)カリグラ(3代目皇帝)

 ローマ市民、元老院に歓迎され即位。しかし、即位後半年が経った頃、重病を患ったあとは異常行動がはじまる。愛馬を執政官にしようとしたり、ナポリ湾に3km以上もの船の橋を架けさせて馬で駆け抜けてみたり、神の姿を真似するようにもなった。AD41年に暗殺され、妻と幼い娘も殺害される。


(2)クラウディス(4代目)

 水道工事、港の整備に力をいれるが、三番目の妻の陰口を信じて多く人を殺害。精神異常、痛風、言語障害に悩まされ、4番目の妻の連れ子ネロを皇帝に指名した直後、毒殺される。


(3)ネロ(5代目)

 最初のうちの統治は評判が良いが、母を殺害。その後、妻に冤罪を着せて殺し人妻と結婚。ローマの大火のとき、キリスト教徒にその罪を着せ迫害する。


 なぜ、ローマの皇帝は急に残虐になったのか?
 その時代には、ワインの味を甘くまろやかにするために鉛のジョッキで飲む風習がありました。鉛の毒性には、消化器障害、感覚障害、精神障害があります。鉛を長期接収することで精神に異常をきたしたという説があります。

(写真:「青海島:観光遊覧船」で海のトンネルくぐりです。)