今月の薬膳;「春においしいヒジキ」

日本では、昔から海藻を食べる習慣があるました。ヒジキらしき海藻が土器片に付着して発掘されていますので、縄文人や弥生人はヒジキを食べていたようです。

 奈良時代には、平城京から発掘された木簡に、当時の調(税金の一種)として海藻が時の朝廷に献上されていたことが記されています。
 戦国時代になると、海藻類は戦場で盛んに食べられるようになります。加藤清正が築城した熊本城の壁には籠城(ろうじょう)用食糧として、アラメがぬり込まれていたと言われています。

 では、なぜ、日本人は海藻を好むのか? 日本の国土はカルシウム質が少なく、水、農作物だけでは充分なカルシウムを補給することが出来ません。特に内陸部では新鮮な魚貝類の入手が難しく、そこで、保存に適した海藻が食べられるようになったと考えられます