今月の薬膳;お餅になった山菜:蕨
春を告げる山菜としておなじみの「ワラビ(蕨)」。名前の由来は、ワラビの新芽の部分が子供(童)が拳を握った形に見えることから、童(わらべ)と呼ばれそれが訛ってワラビとなっという説があります。
ワラビは、古くから書物に登場しています。平安時代に書かれた源氏物語には「早蕨の巻」がありますし、奈良時代末期に編集された万葉集の歌には、
石ばしる垂水の上のさ蕨(ワラビ)の
萌え出づる春になりにけるかも
という、春の訪れを喜んだ歌とされる歌が残っています。
ワラビの根から採れるデンプンに砂糖と水をくわえてできたのが「わらび餅」。平安時代にはあったようで、醍醐天皇が大好物であったという記録が残っています。