今月の薬膳:薬膳デザートの定番:杏
「杏(あんず)」は,ウメ、スモモの仲間で、春(3月下旬から4月頃)に、桜よりもやや早く淡紅の花を咲かせ、初夏に実を付けます。
中国では2000年も前(一説には4000年以上前)から杏の種(杏仁:きょうにん)を漢方薬として用いるために,杏(あんず)を栽培していました。ちなみに杏仁は、今でも「咳止め」や風邪の漢方薬の一つとして使われることがあります。
日本にいつ渡ってきたのかは定かではありませんが、平安時代の書物には「カラモモ」という和名で登場しているそうです。
杏(あんず)は酸味が強いため、生食よりもジャムや洋菓子などに加工されることが多い果物です。中華料理の「杏仁豆腐」は、粉末状にした杏仁に甘味や牛乳を加えて食べやすく加工したので、肺と腸を潤す働きがあり、薬膳デザートとして用いられます。