今月の薬膳:いつのまにか食べていた:納豆

「糸引納豆」の起源はいまだ謎とされています。「納豆」の文字が歴史上最初にでてくる文献は、平安時代の中期に当時の風俗や食生活を含めて書いた『新猿楽記』という本で、その中の変な食べ物としてでてくるそうです。
 
 また、聖徳太子が納豆を造ったという伝説が滋賀県に残っていますが、これは「糸引納豆」ではなく「塩辛納豆」であったという説が有力です。
 
 変わった伝説では、熊本城をつくった加藤清正が、1592年に秀吉の命で朝鮮出兵したおり、やがて兵糧に困り、煮豆を馬と分かちあって食べる日々をおくりまます。残った煮豆を俵に入れて馬の背にのせて行進していると、馬の体温のせいもあって香ばしい匂いをだしはじめ、あけてみると糸引納豆となったといわれています。
 
 納豆を習慣的に食べているのは、関東以北ですが、熊本では「コルマメ(香ばしい豆)」とよばれ伝統食として多く食べられています。