機転

最近、「犬の気持ちが良く分かる本」を買った。
うちには8歳のミニチュアダックスのモコと、去年16歳で亡くなった雑種のクリがいたので、なんとなく一緒にいる間に気持ちが分かっていたようなことと、新たに知り得る情報とで非常に興味深く読み進めた。
その中に、「もしかして、聞こえないふりをしている?!」という項目がある。
さっきまで聞こえていたはずなのに、いくら犬を呼んでも知らんぷりをしてこちらに顔を向けない。もしかして、聞こえないふりをしているのか?という状況。
紐解けば、やはり犬にはちゃんと飼い主の声が聞こえているらしい。でも、何か呼ばれたそのあとに嫌な出来事があると感づいた時に、聞こえていても聞こえてないふりをするのだとか。
”呼ばれてアイコンタクトをとってしまうと、次の指示に従わないといけない。いっそのこと聞こえないふりをしてしまおう”と機転をきかせているらしい。

そういえば、晩年のクリにも、思い当たる節がある。
かなり耳は遠くなっていたけど、大好きな「散歩」や「パン」と言うと、反応して首を傾け、大の苦手な「お風呂」と言うと遠い目をして、急に耳が遠くなったようになることが度々あった。言葉は悪いが、”勝手つんぼ”という表現がぴったりだった。

本を読んだ後に、「なんや、やっぱり聞こえてたんやん!!」と、天国のクリに向かって突っ込んでしまった。今頃、ニヤリと笑っているだろうか。