名前

牛窓の小高い丘の上に馴染みのパン屋さんがある。そこから薬局までの間にオリーブ団地牛窓という分譲地がある。その分譲地の片隅に何故か山羊を飼っているお宅がある。

動物好きの妻は勝手に「ユキちゃん」という名前をつけ(角のない雄山羊もいるらしく性別すらわからないのに、おそらく某アニメの影響だろう)、車で通る度にその姿を探し、見つけると「おーい、何しとん?」「元気?」と話しかける。窓も開けていないし、道路から距離もあるので山羊には全く聞こえていないと思うのだが、毎回毎回楽しそうに話しかけている。話しかけるのは別に良いと思うのだが、名前が現実とかけ離れている気がしてならない。

というのも、そのヤギは見るからに大人のヤギで、かなりの大きさになっている。遠目からでしか見たことが無いので、正確な大きさはわからないがおそらく超大型犬ぐらいはあるだろう。寝そべって草を食べているだけでもかなりの威圧感がある。奈良公園で僕のお尻に頭突きをしてきたシカなんて可愛いものだ。
そんな彼(彼女?)にユキちゃんはあまりにも不釣合いなので、僕が新しい名前をつけてあげようと思う。
「ヤギロベエ」なんてどうだろうか。   3代目夫