ど根性バッタ

昨日のブログに、主人がバッタのことを書いているのをみて、私もバッタに関するエピソードを思い出した。
あれは、ちょうど去年の今頃だっただろうか。いつも、薬局のある牛窓から隣町の駅まで15分程車で通勤しているのだが、薬局を出て車に乗った直後に、フロントガラスに小ぶりのバッタがさばっているのに気付いた。すでに公道に出た後だったので、逃がしてやることもできずに、このバッタの運命が見えているようだ、すぐに吹き飛んでしまうだろうと思いながら車を走らせた。
ところが、なかなかバッタは落ちずにへばりついたままで、とうとう駅までくっついたままだったのだ。やれやれと思いながら、駅の駐車場に車をとめ、このバッタも遠くまで来たけど、これからこの辺りで暮らすだろうとほっとした気持ちで駐車場を後にした。
翌朝、車に乗り込み運転をしようと前を見てたまげた。すっかり、フロントガラスから降りて新しい生活をしているだろうと思っていた前日のバッタが、私の視界のど真ん中にいたのだった。全く降りる気配が無いので、仕方なく車を出すことにした。昨日、あれだけ頑張って張り付いて体力を消耗したから今日は厳しいんじゃないかと思っていると、バッタの後ろ足が一本ペロンとガラスから剥がれてピンチになった。もう持たないかと心配しながら慎重に運転していると、バッタが不思議な行動を取った。まるで、人がぺっぺっと手に唾をかけるようにして、バッタも気合を入れるように自分の手足の先を一本一本口に含んで唾つけるようなことをして、再び元の形でガラスにくっついたのだった。
それからの彼?彼女?は、非常に安定したもので、結局、再び牛窓の駐車場まで無事に戻ってきたのだった。
あのバッタもドライブにでも行きたくてついてきたのかしら?持ち前のど根性で、今も元気に暮らしていればいいが。