匠
2代目のツバメ夫婦が、せっせせっせと店先で家の改築にあたっている。
何気なしに目をやると、ピヨーンとワラのような長細いものが巣から飛び出ている。
ちょっと今度の夫婦はへたくそだなぁと主人と話をしてから、20~30分の間だったろうか。
いつの間にか、あんなに飛び出していたワラが見当たらなくなっていた。
下に落ちた形跡もないし、よく見ると、先ほどのワラらしきものがちゃんと巣の一部となって収まっているようだ。
巣の骨組みか、はたまた強化の為だろうか。
巣作りがへたくそに思わせておいて、ツバメ夫婦にはちゃんと考えあってのことだったみたいだ。
几帳面に積み上げていく巣は、色の変わっているラインから見るに、すでにもとの位置より3センチほど高くなっている。
まさに匠の技。
恐れ入りました。