連鎖
岡山の日赤病院が、近々院外処方になる為に開いた説明会に参加してきた。
大きな病院なので、県下の薬局はどこも関係してくるとあって、会場に着いた時には既に席は満席。
会場外の通路に立って、説明に耳を傾けている人も多くいた。
主人と私も、通路で話を聞いている人たちの列に加わり説明を聞くことにした。
しばらくして、なんとなく、斜め前に立っている女性がお腹をさすっているのが視界の端に入った。
はじめは、お腹の調子でも悪いのかと思いあまり気にしなかったが、ふと目をやると、彼女のお腹がふっくらして妊婦さんであることが分かった。
蒸し暑い通路で、ずっと立ちっぱなしで話を聞くのはかなりきついだろうと思って、少し周りを探すと、彼女の隣に立っている男性の横に、誰も座っていない椅子がぽつんと置かれているのが目に入った。
誰も使われないみたいだからどうぞと、一度は遠慮した彼女に椅子に座ってもらうことが出来た。
もう少し早く気がついてあげれば良かったと反省しながらも、ほっとして再び説明を聞くことにした。
そんなやり取りの少し後で、彼女の知り合いが遅れてやって来た。
その横顔を見てビックリ。
偶然にも、私の高校の同級生だったのだ。
信じられない気持ちで同級生に話しかけると、椅子を譲った彼女も驚きながら”さっき椅子に座らせてくれた”と同級生に説明していた。
今回私の周りで起きたちょっとした出来事で、改めて、人って色んなところでつながっているんだなと思った。
全然知らない、自分に関係ないように思える人でも、どこかで自分の大切な人とつながっているんだろな。
みんな、きっと連鎖している。
巡り巡って、大切な人に優しい気持ちが届くように、いつでも親切や優しさは忘れずにいたいと思った。