匠パート2
実家のモコは、箱デザインの匠である。
自分に宛がわれた箱の側面に、自分のあごがフィットするように、
ガッガガッガと歯を使って器用に”あご乗せ”を作るのだ。
しばらく同じ箱で生活していると、彼女の気分で数か所に”あご乗せ”が出来る。
そうなってくると、彼女にとっては快適なのだろうが、見た目には非常に箱がヨレヨレ・ボロボロになってくるので捨てられて、また別の新しい箱が宛がわれることになる。
こちらは、きれいな箱で過ごさせてあげようと良かれと思って箱の交換をしているけど、新しい箱を前にして、うちの匠は「分かってないな~」とため息交じりにつぶやいて次の構想を練っているのかもしれない。