ほんもの

近所の人に勧められた高額な健康食品を、膝の痛みの為に一年間続けていた方が相談に来られた。
一年間飲んでいるが、現状維持どころか一年前よりも痛いのは悪化しているという。
ご自分でも薄々効果が無いことは感じていたようだが、続けていても良い物かどうかの判断を私に委ねられた。
同じ軟骨成分でも、健康食品と医薬品とでは含有量も効果も全然違うことをお話して、健康食品を続ける意味は無いのではとお伝えした。
半分は気持ちが決まっていて、あと一押しが欲しかったのかもしれない。
私の話を聞いて、帰ったら紹介者の近所の人を挟まずに、直接業者に断りの電話を入れるとおっしゃった。
そして同じ飲むなら本当に良い物の方をと、医薬品の軟骨成分を購入してその日は帰られた。

それから3週間くらいになるだろうか。
その後どうなったかずっと気になっていた。
膝の水が少し溜まっていることと、関節に炎症を確認していたので、軟骨成分だけではちょっと手強いかと思い、漢方薬の追加を提案しようかと考えていたところだった。
丁度今日、別の用事でその方から配達の依頼があったので、母に様子を聞いてきてもらった。
あれ以来、毎日こつこつと飲んでくださったらしく、膝の痛みはだいぶましになっていると教えてもらった。
症状が改善していると分かり、ホッとした。
と同時に、健康食品と医薬品との効果の違いを改めて確認することができた。

今は、メディアや紹介制度など健康食品に関しては色んな商法があり、見ていて行き過ぎていると思う。
健康食品には医薬品のように効果は無いのだが、過度に期待を抱いて飲み続け、治療の機会を逸してしまっている方はかなりの数いると思われる。
業者が言っていることは売るための文句と、一旦冷静になって考えて欲しい。
薬局では正しい情報の提供と、その方に必要か必要でないかの判断が出来ます。
気になることがあれば、気軽にご相談ください。