ごめんね
薬局の床に何やら見慣れない物体が転がっていた。
ん?こんな所に毛ガニかな?
いや、近くでよくよく見てみると、ホコリまみれで瀕死の状態になった普通の小さなカニだった。
どこを通って出てきたのか分からないけれど、こんなにホコリがあったとはあまり大きな声では言えない残念なことである。
ホコリガニを見てびっくりしているセールスさんに、「放しておけば薬局がきれいになる」と平然と言ってのけた父の言葉に更に驚愕したが、うちの両親にとっては見慣れた光景らしい。
役目を終えた(?)カニの体からホコリを取って、水をかけたり水に浸してみると、たまにゆったりと足が動いてまだ息があるようだったがじきに動かなくなってしまった。
もっと隅々まできれいに掃除が行き届いていれば、彼らの運命も多少は違うものになっていただろうか。ホコリまみれで最期を迎える羽目になった彼らのことを思い、もっと精進して掃除をせねば・・・。