こんなことがありまして
牛窓のとある山道、車同士がすれ違うのもやっとの狭路。
大阪ナンバーの厳ついベンツとすれすれですれ違い、行けた!と思ったのも束の間。ガコンと車体が下がった。何事か理解できないでいる私に『脱輪した』と助手席の主人の声。あぁ、やってしまったのだ・・。車から降りて確認すると、左の前輪がきれいに溝にはまっていた。
先ほどすれ違ったベンツの方も気が付いて、車を降りて様子を見に来てくれ、少し先にあるホテルで縄を借りてくると行ってくださった。その後で登ってきた別な車の方も、状況を察して積んであったジャッキを持って加勢してくれたのだった。
ロープを持って戻ってきてくれた男性と、ジャッキの男性、それに主人で車体を持ち上げると持ちあがったが、なかなかうまく道路に戻らなかった。ちょうど木陰ではあったが、作業をするには暑すぎだし、藪蚊やアブがブンブン飛び回る環境。休日に観光に来ている彼等にとても申し訳なく思い、レッカーの手配をするからと丁重に手伝いの辞退と御礼を言って別れた。
今日は連休でレッカー車も出払っていたらしく、到着まで2時間ほど車の中で待つことになった。
その間、脱輪に気が付いてわざわざ車を降りて手伝いや救助の連絡を申し出て下さった方々は、なんと10組以上に上るだろうか。おそらく、これからホテルで結婚式に参加するであろう正装したご家族が皆で車から降りてきて、持ち上げるのを手伝おうかと言って下さったこともあった。
世の中、なんと親切な方が多いことかと実に驚いた。
主人を始め本当に多くの方々にえらい迷惑をかけてしまったけど、今回のことは、私に非常に大きな教訓をもたらすことになった。
一つ、驕(おご)らないこと。二つ、困っている人を見かけたら声をかけたり手伝うこと。
最近三国志にはまっているので、言い方が三国志ちっくになってしまったが・・一つ目は、事故のきっかけとなった私の反省、二つ目は勿論、今日手を差し伸べて下さった方々から改めて大切さを教わったこと。
殺伐とした世の中でも、いまだに残っている”お互い様の精神”。まだまだ世の中捨てたもんじゃない。
皆さん、本当にありがとうございました。